「生活防衛資金」という言葉をご存知でしょうか?
生活防衛資金は、病気、リストラ、自然災害といった万が一のときに対して、自分や家族の生活を守るために用意しておく資金のこと。
いわば、自分の生活を安定に保つための「防波堤」のような存在。
私は生活防衛資金を重視していて、運用資産とは別に生活費の2年分以上の金額を確保しています。
今回は、生活防衛資金に対する私の考え方をご紹介したいと思います。
生活防衛資金として必要な金額は?
私が生活防衛資金という考えを知ったのは、山崎元さん・水瀬ケンイチさんの本がきっかけでした。生活防衛資金に対する考え方は、この本に影響を受けています。『ほったらかし投資術』では、投資に入る前の前提として、生活防衛資金を用意することの重要性が説かれています。
しかし、「生活防衛資金をいくら用意すべきか」は、明言されておらず、著者の間で意見が別れています。
他の書籍を読んでみても、「生活費の3ヶ月分で充分」という意見があれば、「生活費の2年間分は必要」という意見もあり、必要とする金額には幅があります。
生活スタイル、家族構成、職種、収入源の数などによって、最適な金額は人によって異なるのでしょう。
様々な意見を比較した結果、私は生活費の2年分以上を生活防衛資金として確保しています。
これは「不測の事態に対する備えは、保守的に見積もっておきたい」という考えによるものです。
精神的に落ち込んだ状態でお金の心配をしたくないですし、不測の事態では通常に比べて生活費が増える可能性もあります。
それに、地震などの自然災害に見舞われた場合、生活を立て直すためには、生活費の数ヶ月分では正直不安です。
自分や家族の生活を守る生活防衛資金は、保守的に見積もり、充分な金額を確保しておく必要があると思います。
生活防衛資金はどこで管理するか
さて、「生活防衛資金をどこで管理するか」という問題があります。私は、流動性を重視して、都市銀行の普通預金と定期預金で、生活防衛資金を管理しています。普通預金には100万円ほど。残りは全額、定期預金です。
生活防衛資金は、万が一の時に備えたお金。そのため、現金として引き出しやすい場所で管理しておく必要があります。
現在の低金利状態では、まとまった金額を銀行口座に寝かせておくことに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、生活防衛資金は守りのお金。お金を増やすための資金ではありません。金利には目をつぶりましょう。お金を増やすだけが資産形成ではありませんよ。
金利が有利なネット銀行ではなく、都市銀行を利用しているのも流動性を重視しているからです。
都市銀行であれば、もしもの時に窓口で預金を下すことができます。また、災害で一時的に他の地域に避難する場合でも、都市銀行であれば、利用可能なATMを見つけやすいと思います。
生活防衛資金の預け先を検討する際は、流動性を意識されてみてはいかがでしょう?
まずは生活防衛資金を貯めよう
私は、生活防衛資金の考え方を知らない状態で、投資をはじめたので、後から生活防衛資金を用意しましたが、これから投資を始める方には、まずは生活防衛資金を貯めることをオススメします。多くの方が言われているように、生活防衛資金には「投資を長く続けるための精神安定剤」としての側面もあります。
【外部リンク】生活防衛資金の安心感|梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
【外部リンク】生活防衛資金に対する私の考え方|ひと手間くわえた積立投資で資産形成
この精神安定剤としての意義は大きいと思います。投資を長く続けるためにも、必ず生活防衛資金を用意しましょう。
生活防衛資金の積立と同時に、リスク資産への投資を勧める意見もありますが、個人的には次のやり方を推奨したいと思います。
- 最低限、6ヶ月分の生活費を貯めるまでは、生活防衛資金を貯めることだけに専念。
- その後は、生活防衛資金に80%、リスク資産への投資20%の割合で振り分けていく。
まとめ
今回、生活防衛資金に対する私の考え方を紹介させていただきました。必要な金額は、人それぞれですが、万が一の時に自分や家族の生活を守るために、一定額は備えておきたいものです。
- 不測の事態に対処できる充分なお金を用意する(オススメは2年分の生活費)。
- 預け先は、流動性を重視。都市銀行の普通預金と定期預金で管理する。
- 生活防衛資金には、「精神安定剤」としての側面もある。
- まずは生活防衛資金を貯める。
【関連記事】【お金の仕組み化】4つの口座を意識した資産管理術