インデックス投資で長期航海

インデックス投資を中心とした投資ブログ。30代の会社員が資産形成、お金、教育について語ります。

カテゴリ: 投資イベント・セミナー

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6月29日に開催された「第3回金融庁と個人投資家の意見交換会」に参加してきました。

きっかけは、投信ブロガー・虫とり小僧さんの告知記事でした。

金融庁と個人投資家の意見交換会(第3回)
日時: 2017年6月29日(木) 19:00〜20:30
場所: 金融庁13階会議室
※ 意見交換会終了後、有志による懇親会有り

集合場所のメインエントランスが分からず、迷っていたところ、経済評論家の山崎元さん、インデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんを発見。お二人の後について行き、無事集合場所にたどり着くことができました。

意見交換会の会場は、有識者会議が行われていそうな重厚な作りの会議室。弱小個人投資家の私は、それだけで圧倒されてしまいました。

冒頭に、金融庁職員の方から会の趣旨説明を兼ねた「つみたてNISA」の説明があった後、運用会社の方からお話がありました。今回参加されていた運用会社は、次のとおりです。

  • 野村アセットマネジメント株式会社
  • 大和証券投資信託委託株式会社
  • レオス・キャピタルワークス株式会社・藤野英人社長
  • セゾン投信株式会社・中野晴啓社長
  • ニッセイアセットマネジメント株式会社
  • ブラックロック・ジャパン株式会社
  • 三菱UFJ国際投信株式会社

その他にも、山崎元さん、カン・チュンドさんをはじめ、有名投資ブロガーが多く参加されていました。

当日の意見交換会の内容をご紹介したいと思います。(なお、柴崎が聞き取れた・理解できた範囲でのメモであることをあらかじめご了承ください。事実誤認等があれば、コメント欄等でご指摘いただければ幸いです)

金融庁による「つみたてNISA」の趣旨説明

まずは冒頭に行われた金融庁職員の方からの趣旨説明です。

  • 我が国の家計金融資産(約1,700兆円)のうち、52%(約900兆円)が現預金
  • 米英に比べると株式・投信等の割合が低く家計金融資産が伸びていない
  • 3世帯に1世帯は、有価証券・定期預金等による資産形成ができていない(「家計の金融行動に関する世論調査」)
  • 顧客本位の業務運営に関する原則の定着」、「実践的な投資教育の推進」、「つみたてNISAの創設」により家計の資産形成を後押ししていきたい
  • 投資初心者向けの実践的な投資教材を作成中
  • つみたてNISAでは、投資対象商品の要件を設定、日本の公募型投資信託の1%程度(50〜60本)が対象になる
  • 対象商品の多くはインデックスファンド。アクティブファンドで要件を満たすものは5〜6本程度

金融庁の方による説明では、実践的な投資教材を作成中とのことでしたが、今後どのように公開され、活用されていくのか興味があります。

運用会社の方々による説明

パネリストとして参加されていた運用会社の方々による説明の概要です。

  • (野村)若年層の投資を後押ししていきたい。分かりやすく、シンプルな商品の設計を検討中
  • (野村)ETFの普及も必要だと感じている
  • (セゾン)販売会社の多くは「やってられない」と思っているのが実情。金融庁が「つみたてNISA」の普及に向けて取り組んでいくかが鍵になる
  • (ニッセイ)新商品の開発を進めて行きたい。バランスファンドは、こだわりを持って進める
  • (ニッセイ)「純資産総額が伸びれば、既存の投資家に還元していく」という方針。毎年、ある時期になると噂が飛び交うが、毎年、信託報酬を引き下げる訳ではない。結果的にそうなることはあるかもしれないが・・・
  • (ブラックロック)ETFは、投資家にとっての新しいテクノロジー

セゾン投信の中野社長が、販売会社の実情を踏まえながら、金融庁の役割について一言物申す姿が印象的でした。

また、2年連続で信託報酬を引き下げてきたニッセイ。「毎年信託報酬を引き下げる訳ではない」と予防線を張りつつ、「結果的にそうなるかも」と期待させる発言も。

質疑応答

金融リテラシーが高い個人投資家のみなさんが質問されていたので、正直理解できていない部分も多いです。

  • S&P500をベンチマークにした商品の開発は?
  • アクティブファンドの場合、ファンドマネージャーが交代するとファンドの性格が変わる。つみたてNISAのような長期投資に耐えられる?
  • 夫は預金主義で、投資に消極的。例えば、夫婦割のような制度があるといいと思うが、導入したらどうか?
  • ETFで、分配金自動再投資(ドリップ方式)の仕組みは導入しないのか?

感想

このような投資関連のイベントに参加するのは初めてだったので、終始緊張しっぱなしでしたが、山崎さんや有名ブロガーを間近で拝見することができ、貴重な経験を得ることができました。

また、個人的に気になっていた「地方開催」についても言及があったのは良かったと思います。東京と同じメンバーという訳にはいかないようですが、地方の財務局に依頼すれば、無料で講師を派遣してもらえるとのこと。

有志による懇親会の場で、金融庁職員の方にお話させていただきましたが、是非ともウェビナー形式でも意見交換会を開催していただければと思います。インターネット上で情報交換できれば、遠方の方や忙しい方も参加しやすいのではないでしょうか。ご検討いただければ幸いです。

質疑応答や懇親会では話が盛り上がり、次回は「販売会社の方に来てもらって、話を聞こう」という一幕も。機会が合えば、次回も参加したいと思いました。

昨年、投票を行った「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」の表彰式が行われました。


表彰式には、参加することはできませんでしたが、会場から多くの方が実況して下さったので、会場の臨場感を味わうことができました。Twitterで実況して下さった参加者の皆様、そして表彰式を運営して下さった関係者の皆様に感謝を申し上げます。

今回受賞したファンドと感想をまとめたいと思います。

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」受賞ファンド

第1位  <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
第2位  たわらノーロード先進国株式
第3位  バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
第4位  iFree 8資産バランス
第5位  セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
第6位  ひふみ投信
第7位  ひふみプラス
第8位  世界経済インデックスファンド
第9位  <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
第10位 セゾン 資産形成の達人ファンド

特別賞 ひふみシリーズ

感想

現在、積立投資を行なっている「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」と「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」がそれぞれ10位以内にランキングしています。この2つのファンドは、実際に投資しているだけでなく、投票したファンドでもあったので、嬉しい結果になりました。(ちなみに、投票理由は、直前に発表があった信託報酬引き下げです)

特に、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、3連覇を達成しています。ニッセイアセットマネジメントさん、おめでとうございます。

昨年は、ベンチマークと運用実績が乖離した問題で、多くのブロガーから批判されてしまいましたが、今後は、同じような運用ミスを繰り返さないように、安定した運用を行っていただければと思っています。

また、今年も10位以内に新興国を対象にしたファンドが入っていませんでした。2015年以降、10位以内にランキングしなくなっていますが、最近話題に上がることが多い「新興国株式不要論」の影響でしょうか。全世界株式対象のファンドやバランス型ファンドを除けば、新興国株式を対象にしたファンドで最上位だったのは、「たわらノーロード新興国株式」(14位)だったようです。

ランキングとその受賞理由をみると、それぞれの投信ブロガーの思いが伝わり、とても面白いです。普段注目していなかったファンドに興味を持つきっかけにもなりました(実際に投資するところまでは行かないと思いますが)。今後も「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」がきっかけとなり、資産形成に興味を持つ人が増加することを期待しています。

<追記>2017.01.23

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016の公式ページで、投票結果およびコメントが公開されています。当日、Twitter上でも話題になっていましたが、会場で読み上げられた森信親金融庁長官のコメントも公開されています。

森信親金融庁長官のコメントで、特に印象に残った部分をご紹介します。

なぜ日本人の間で投資による資産形成が普及していないのかを考えてみると、その理由のひとつに、「投資の成功体験」が広く共有されてこなかったこと、が挙げられると思います。
その背景には、金融商品を提供する金融機関が、手数料収入の獲得を重視するあまり、そのときどきの流行に乗ったテーマ型で売りやすい投資信託や過度に仕組みが複雑な商品の組成・販売に注力し、かつ、そうした商品の短期・回転売買を勧めてきたことなどがあるのではないでしょうか。
しかし、プロの投資家ではない個人がそうした商品の売買のタイミングを見極めることは難しいことです。また、仮にうまくタイミングが合って値上がりしたとしても、そこから高い手数料を支払っていては、満足のいく投資リターンは期待できません。
むしろ、積立により投資の時間軸を分散させつつ、良質で投資対象が分散された投資信託への投資を長期に継続していくことが、成功体験につながるのではないでしょうか。

(「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016の公式ページ」より引用)

長期積立による分散投資について触れられています。さらに、今後も、個人投資家の資産形成をサポートしていく旨のコメントもあり、非常に頼もしく感じました。

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2016年11月1日(火)から始まった「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」に投票しました。

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」とは

投資信託について一般投資家の目線でつねに考え、情報を集め、ブログを書いている投信ブロガーたち。投資信託の事情通である彼らが支持する投資信託はどれか?

証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。


(公式サイトより引用)

今回は、10回目という記念すべき年になっています。

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」は、私が投資ブログを始めるきっかけにもなったイベントです。投票締め切りまで、まだ1ヶ月程残っていますが、先程、初投票を済ませました。

私のような弱小投資家であっても、投票によって、意思を表明できる本イベントは、貴重な機会です。少しでも多くの個人投資家が参加することで、日本の投資環境が少しでも良くなることを望んでいます。

結果発表は、来年の1月に、都内で開催されるイベントで発表される予定とのこと。11月30日(水)まで、投票を行うことができますので、まだ投票がお済みでない方は、投票を検討されてみてはいかがでしょうか。

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