インデックス投資で長期航海

インデックス投資を中心とした投資ブログ。30代の会社員が資産形成、お金、教育について語ります。

カテゴリ: 投資方針

世界投資者週間
投資者教育、金融リテラシーに関するグローバルなキャンペーン活動として、世界投資者週間(WIW:World Investor Week)が、2017年10月2日から10月8日までの期間で実施されます。

本キャンペーンは、世界各国の証券監督当局・証券取引所などから構成される証券監督者国際機構(IOSCO)が実施するものです。日本からは金融庁が参加、日本証券業協会が協力しています。

【外部リンク】What is World Investor Week? | IOSCO

特設ページに掲げられていたキーメッセージが素晴らしかったため、皆さんにもご紹介したいと思います。

賢い投資家になるための9つのポイント

日本語訳された世界投資者週間のキーメッセージは、下記のとおり。
賢い投資家は、
  • 投資専門家(業者、外務員等)がライセンスを受けていることを確かめる
  • 投資を行う前に商品についてリサーチする
  • 投資の選択に際して手数料の影響を検証する
  • 全ての投資にはリスクがあることを理解する
  • "すぐ儲かる"、"損しない"スキームは避ける
  • 複利の効果を認識する
  • 分散の重要性を認識する
  • 将来の必要性・目標に沿って計画し、投資する
  • 長期、積立、分散投資の利点を認識する

(「平成29年度「投資の日」特設サイト|日本証券業協会」から引用)


シンプルな9つのメッセージに、賢い投資家になるためのポイントがまとめられています。個人投資家であれば、ぜひ読んで欲しいメッセージです。

次に、個人的に感じたことを書いておきます。

目標に向けて、投資を継続することが大切

一番重要なのは、「将来の必要性・目標に沿って計画し、投資する」というメッセージだと思います。

人によって、家族構成や経済状況は異なります。また、「将来、どのような生活を送りたいのか」といった人生の目標も人それぞれでしょう。

だからこそ、現在の状況を見定め、自分自身で投資の目標を決める必要があります

投資を始めると、具体的な商品の選択・購入に目がいきがちですが、それよりも「将来の目標に向けて、投資を継続することが重要である」と改めて思いました。

着実な資産形成の方法を選ぶことも重要

残り8つのメッセージは、着実な資産形成方法を選ぶためのポイントです

ゴールに向けて歩きはじめると、目の前には、たくさんのルートが存在しています。一見、近道のように見えても、その先には、思わぬ落とし穴が待ち受けているかもしれません。途中で道に迷ったり、怪我をしないためには、着実なルート選びが重要です。

しっかりとした資産形成の方法を選ぶために、「投資を行う前に商品についてリサーチする」「"すぐ儲かる"、"損しない"スキームは避ける」といったポイントは、よく覚えておきたいと思います。

つみたてNISAやiDeCoで投資を始める方に

賢い投資家になるための9つのポイントとして、世界投資者週間のキーメッセージをご紹介しました。

今後、つみたてNISAやiDeCoで、投資を始めてみようと考えている初心者の方は多いかもしれません。そんな初心者の方にも知っておいて欲しいポイントです。

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新興国株式クラスのファンドを「野村インデックスファンド・新興国株式」から「たわらノーロード 新興国株式」に変更します。

変更の理由は、次の3点です。

1. 「たわらノーロード新興国株式」の方が信託報酬が低い

新興国株式インデックスファンド信託報酬率比較
信託報酬率(年率・税抜)
委託会社販売会社受託会社合計
たわらノーロード 新興国株式0.2275%0.2275%0.0400%0.4950%
野村インデックスファンド・新興国株式0.2800%0.2800%0.0400%0.6000%

信託報酬を比較すると、「たわらノーロード新興国株式」の方が0.105%だけ信託報酬が低くなっています。

毎年、保有資産に対してかかる信託報酬は、運用成績を確実に押し下げるコストになります。そのため、「できるだけ低コストなインデックスファンドに乗り換えたい」というのが、一番の理由です。

2. 資金流入が続いている

「たわらノーロード 新興国株式」は、ファンドの設定以降、資金流入が続いています。直近6ヶ月(2016年11月〜2017年4月)の資金流出入額を見てみると

  • たわらノーロード 新興国株式: 5.36億円
  • 野村インデックスファンド・新興国株式: 1.64億円

繰上償還の可能性が低いインデックスファンドに投資したいため、継続的に資金が流入している「たわらノーロード 新興国株式」の方が魅力的でした。

3. マザーファンドの規模が大きい

「たわらノーロード 新興国株式」の純資産総額は15.67億円(2017年6月2日時点)と、それほど大きくはありません。しかし、マザーファンドの純資産総額を調べてみると

  • たわらノーロード 新興国株式: 約362億円(2016年4月18日時点)
  • 野村インデックスファンド・新興国株式: 約130億円(2016年5月10日時点)

「たわらノーロード 新興国株式」の方が、マザーファンドの規模が大きいです。

現在の保有ファンドは、そのままバイ&ホールド

上記の3つの理由から毎月の積み立てを「たわらノーロード 新興国株式」に変更します。ファンドの変更によって、税抜きで0.105%の信託報酬を節約できることになります。

ただ、毎月積み立てるファンドを変更するだけで、既に保有している「eMAXIS新興国株式インデックス」と「野村インデックスファンド・新興国株式」は、バイ&ホールドし続けます。(今後、評価額がマイナスになるようなことがあれば、全面的な乗り換えを検討するかもしれませんが・・・)

これからも低コストなインデックスファンドを活用し、分散投資を続けていきます。

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大学生の頃から、4つの口座で、個人資産を管理しています。きっかけは、竹川美奈子さんの『「しくみ」マネー術』(PHP研究所, 2008.8)を読んだことでした。

竹川さんは、お金の仕組み化が大切として、「生活口座」「貯蓄用の口座」「プール用の口座」「投資用の口座」の4つに分けた使い分けを提案されていました。

貧乏学生だった私は、これなら自分にもできそうだと思い、さっそく使い分けを開始。その後、微修正を加えながら、今に至っています。

1. 生活資金

メインで使っている都市銀行の普通預金口座を利用しています。生活資金を管理する口座で、給与の振込先口座、光熱費・クレジットカードの引き落とし口座として使っています。だいたいクレジットカードの利用限度額以上の金額は入れるようにしています。

あくまで決済を目的にした口座なので、金利の低さには目をつぶっています。

2. 生活防衛資金

メインで使っている都市銀行の定期預金口座(一部、普通預金口座も併用)を利用。病気や失業といった非常時に備えた資金で、2年分以上の生活費を確保しています。

守り」を意識したお金なので、こちらも金利の低さは気にしていません。

3. 予備積立金

メインで使っている都市銀行の普通預金口座を利用しています。1〜2年以内に使うことを予定している資金(冠婚葬祭費、賃貸住宅の更新費、旅行代など)を積み立てて管理しています。

当初は、サブで使っている都市銀行を利用していましたが、決済の時、生活資金に移し替えるのが面倒になり、メインの銀行に集約化しました。

エクセルで、使用目的と積立額を管理しています。

4. 投資用口座

ネット証券の特定口座、NISA口座を利用しています。長期的に増やしていくことを目的にした口座。いわば「攻め」のお金です。

現在は、低コストのインデックスファンド、国内個別株式、個人向け国債を活用し、分散投資しています。

仕組み化が重要!

夫婦共有の口座も含めると、他にもいくつか口座を持っていますが、同様に「4つの口座」を意識して使い分けています。

私の場合、お金の流れを4つの口座に仕組み化することで、生活防衛資金を貯め、毎月の積立投資資金を捻出することができるようになりました。「口座を増やすと管理が大変」と思うかもしれませんが、慣れれば案外簡単です。

資産形成の第一歩として、口座の使い分けを試してみませんか?


【関連記事】資産形成に踏み出すきっかけを与えてくれる本。『貯金ゼロ・知識ゼロ・忍耐力ゼロからのとってもやさしいお金のふやし方』(竹川美奈子著)

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『ウォール街のランダム・ウォーカー』を読み返していた所、次の文章に目が留まりました。
金持ちになりたいなら急がないことだ。しかし重要なのは、今すぐ始めることだ。
(『ウォール街のランダム・ウォーカー』(2016.3)368ページより引用)
上記の引用文は、原著第11版の翻訳から訳出されるようになった「財産の健康管理のための10カ条」に出てくる文章です。

著者のバートン・マルキール教授は、安心できる財産運用のための第一条件は、継続的な貯蓄計画であるとし、できるだけ若いうちから始めることを推奨しています。

この文章を再読した時、思い出したのが次のニュースです。


金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、「40歳代・年収300万円未満の世帯では半数が金融資産を保有していない」とのこと。

リンク先の記事中でも言及されているとおり、この調査では、金融資産が「定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分」と定義されているため、「金融資産を保有していない」と回答した世帯でも、生活費の範囲で何らかの貯蓄を行なっている可能性はあります。

ただし、全世代でも、30.9%の世帯が「金融資産を保有していない」と回答しているのは、心もとない気がします。ひと昔前なら、日本は貯蓄率が高い国とのイメージがありましたが、実態は変わってきているようです。

マルキール教授が、「財産の健康管理のための10カ条」の第1条を「元手を蓄えよ」としているように、継続的な貯蓄は重要です。私自身、インデックスファンドへの投資とは別に、生活防衛資金として2年分以上の預貯金を確保した上で、貯蓄も続けています。

世帯構成によっては色々な事情もあると思いますが、無理のない範囲で貯蓄を始めてはいかがでしょうか。

繰り返しになりますが、
金持ちになりたいなら急がないことだ。しかし重要なのは、今すぐ始めることだ。

まだお正月気分が抜けませんが、明日の大発会から2017年の相場が始まります。

リスク許容度を再確認するために、わたしのインデックスで公開されている資産配分ツールでポートフォリオの分析を行いました。

運用資産(コア部分)のアセットアロケーション

資産配分ツールに入力したアセットアロケーションは、直近のデータ(2016年12月末)です。

国内債券 43.0%
国内株式 5.2%
先進国株式 41.1%
新興国株式 10.7%


平均リターンとリスク

過去20年実績データ(1996年12月-2016年11月、円ベース)でみると、次のような結果になりました。
平均リターンとリスク
(「わたしのインデックス」の資産配分ツールより転載)

平均リターン: 5.1%
リスク: 11.0%
シャープレシオ: 0.47

大暴落時のポートフォリオ

「資産配分ツール」では、次の4期間におけるポートフォリオの状況を調べることができます。
  • アジア通貨危機(1997年7月-1998年10月)
  • ITバブル崩壊、テロ(2000年3月-2003年3月)
  • 世界金融危機(2007年7月-2009年2月)
  • リーマン・ショック(2008年8月-2009年2月)
最大の下落率だった世界金融危機時で調べた時、ポートフォリオの状況は、次のようになりました。
大暴落時のポートフォリオ
(「わたしのインデックス」の資産配分ツールより転載)

世界金融危機並みの大暴落が起きた場合、38.4%の評価損になるようです。

一般に、年率リターンのバラツキが、平均リターンを中心とする正規分布に従うと仮定した時
  • 平均リターン ± 1標準偏差(= リスク)の間に収まる確率: 68.3%
  • 平均リターン ± 2標準偏差の間に収まる確率: 95.4%
  • 平均リターン ± 3標準偏差の間に収まる確率: 99.7%
といった確率になることが知られています。

私のポートフォリオの場合
  • 平均リターン ± 1標準偏差: -5.9%〜16.1%
  • 平均リターン ± 2標準偏差: -16.9%〜27.1%
  • 平均リターン ± 3標準偏差: -27.9%〜38.1%
ぐらいの変動の間に、それぞれの確率で、年率リターンが収まる計算になります。

ざっくりまとめると
  • 大暴落が起きた時、1年間で約30%の評価損を抱えることになる
  • 世界金融危機のように株価低迷が長引けば、約40%の評価損を抱えることになる

このことを念頭に置きながら、2017年もインデックス投資を続けていきます

下記の図書は、暴落時でも積立投資の継続が、いかに重要かということを教えてくれます。


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