インデックス投資で長期航海

インデックス投資を中心とした投資ブログ。30代の会社員が資産形成、お金、教育について語ります。

タグ:金融庁

世界投資者週間
投資者教育、金融リテラシーに関するグローバルなキャンペーン活動として、世界投資者週間(WIW:World Investor Week)が、2017年10月2日から10月8日までの期間で実施されます。

本キャンペーンは、世界各国の証券監督当局・証券取引所などから構成される証券監督者国際機構(IOSCO)が実施するものです。日本からは金融庁が参加、日本証券業協会が協力しています。

【外部リンク】What is World Investor Week? | IOSCO

特設ページに掲げられていたキーメッセージが素晴らしかったため、皆さんにもご紹介したいと思います。

賢い投資家になるための9つのポイント

日本語訳された世界投資者週間のキーメッセージは、下記のとおり。
賢い投資家は、
  • 投資専門家(業者、外務員等)がライセンスを受けていることを確かめる
  • 投資を行う前に商品についてリサーチする
  • 投資の選択に際して手数料の影響を検証する
  • 全ての投資にはリスクがあることを理解する
  • "すぐ儲かる"、"損しない"スキームは避ける
  • 複利の効果を認識する
  • 分散の重要性を認識する
  • 将来の必要性・目標に沿って計画し、投資する
  • 長期、積立、分散投資の利点を認識する

(「平成29年度「投資の日」特設サイト|日本証券業協会」から引用)


シンプルな9つのメッセージに、賢い投資家になるためのポイントがまとめられています。個人投資家であれば、ぜひ読んで欲しいメッセージです。

次に、個人的に感じたことを書いておきます。

目標に向けて、投資を継続することが大切

一番重要なのは、「将来の必要性・目標に沿って計画し、投資する」というメッセージだと思います。

人によって、家族構成や経済状況は異なります。また、「将来、どのような生活を送りたいのか」といった人生の目標も人それぞれでしょう。

だからこそ、現在の状況を見定め、自分自身で投資の目標を決める必要があります

投資を始めると、具体的な商品の選択・購入に目がいきがちですが、それよりも「将来の目標に向けて、投資を継続することが重要である」と改めて思いました。

着実な資産形成の方法を選ぶことも重要

残り8つのメッセージは、着実な資産形成方法を選ぶためのポイントです

ゴールに向けて歩きはじめると、目の前には、たくさんのルートが存在しています。一見、近道のように見えても、その先には、思わぬ落とし穴が待ち受けているかもしれません。途中で道に迷ったり、怪我をしないためには、着実なルート選びが重要です。

しっかりとした資産形成の方法を選ぶために、「投資を行う前に商品についてリサーチする」「"すぐ儲かる"、"損しない"スキームは避ける」といったポイントは、よく覚えておきたいと思います。

まとめ

賢い投資家になるための9つのポイントとして、世界投資者週間のキーメッセージをご紹介しました。

今後、つみたてNISAやiDeCoで、投資を始めてみようと考えている初心者の方は多いかもしれません。そんな初心者の方にも知っておいて欲しいポイントです。

つみたてNISAフェスティバル2017
2017年9月10日(日)に開催された「つみたてNISAフェスティバル2017:はじめてみませんか? つみたて投資」に参加してきました。

「つみフェス2017」の参加レポートと感想をまとめておきたいと思います。(なお、柴崎が聞き取れた・理解できた範囲でのメモであることをあらかじめご了承ください。事実誤認等があれば、コメント欄等でご指摘いただければ幸いです)

【記事の目次】
1. イベント概要
2. 越智内閣府副大臣の挨拶
3. 導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、投資教育教材の説明
4. 私が考える「つみたてNISA」と「iDeCo」の活用法
5. 個人投資家からの税制改正要望ベスト5
6. パネルディスカッション:つみたてNISAから考える日本の投資信託
7. まとめ

イベント概要

開催日時:2017年9月10日(日)14:00〜16:50
開催場所:虎ノ門ヒルズフォーラム 4F(HALL B)
予定定員:200名(参加費無料)
主催:金融庁

プログラム

14:00〜14:05 ご挨拶(内閣府副大臣 越智隆雄)
14:05〜14:35 導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、投資教育教材の説明
14:45〜15:25 私が考える「つみたてNISA」と「iDeCo」の活用法
15:35〜15:55 個人投資家からの税制改正要望ベスト5
16:05〜16:45 パネルディスカッション:つみたてNISAから考える日本の投資信託
16:45〜16:50 フォトセッション
虎ノ門ヒルズ
会場は、虎ノ門ヒルズに併設されたカンファレンスセンター。参加者の半数は男性のようでしたが、なかには、女性や若い人の姿も見受けられました。

公式ハッシュタグ「#つみフェス2017」が設定されており、時折、会場内のスクリーンに参加者の投稿がリアルタイムで映しだされていました。

参加者同士で、感想を共有する手段として活用されていただけでなく、「会場内が寒い」といった要望を伝える手段としても活用されていたため、非常に良かったと思います。

また、当日は、NHK取材班も参加されており、一般参加者に対してインタビューを行なっていました。

越智内閣府副大臣の挨拶

越智隆雄・内閣府副大臣が、スタッフTシャツの姿で登壇され、挨拶をされました。

挨拶の概要は、次のとおり。

  • 事前打ち合わせの場で、スタッフTシャツを着るように勧められた。Tシャツ姿で仕事をするのは初めての経験。
  • 金融庁では、これまで個人投資家との意見交換を行ってこなかったが、4月から意見交換を始めるようになった。そのなかで、インターネットが持つ力の大きさを実感している
  • 今回は200名規模での開催になったが、これまでの意見交換会と同様に「個人投資家と双方向のコミュニケーションを取りたい」との趣旨は変わらない。
  • これから「つみたてNISA」の口座開設が始まる。「つみたてNISA」が、家計の健全な資産形成につながることを願っている

副大臣自らが、スタッフTシャツを身につけて、挨拶をされたことに驚きました。

最初は、数十名の規模から始まった「金融庁と個人投資家の意見交換会」が、200名という大規模に成長し、副大臣が挨拶を行うところまで発展しててきたことは、すごいと思います。

導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、投資教育教材の説明

金融庁職員2名の方から「つみたてNISA」の制度説明と金融庁が作成した投資教育教材の説明が行われました。

「つみたてNISA」の制度説明

今回のフェスティバルのテーマである「つみたてNISA」について、次のような説明が行われました。

  • 我が国の家計金融資産(1,815兆円)のうち、51.7%(938兆円)が現預金
  • 米英に比べると株式・投信等の割合が低く家計金融資産が伸びていない
  • 3世帯に1世帯は、有価証券・定期預金等による資産形成ができていない(「家計の金融行動に関する世論調査」)
  • 投資を行わない理由として挙げられるのは、「まとまった資金がないから」「どのように有価証券を購入したら良いのか分からないから」。つまり、「少額投資」と「積立投資」が知られていない。
  • 金融庁としては、つみたてNISAの創設「金融機関の顧客本位の業務運営の確立・定着」「実践的な投資教育の推進」により家計の資産形成を後押ししていきたい。
  • 「つみたてNISA」の対象商品は、一般的なインデックス投信が基本。ただし、継続して投資家に支持され、規模が着実に拡大しているアクティブ運用投信であれば対象に含める。
  • 「つみたてNISA」の対象と考えられる公募投信の数は、当初考えていた本数から114本に増加。株式型、資産複合型といった分類ごとの本数もバランスよく増加している。

制度説明の大まかな流れは、「金融庁と個人投資家の意見交換会」で行われた説明と同様。ただし、その後明らかになった対象商品の増加についての説明、よくある質問としてQ&A形式での説明が追加されていたため、よりわかりやすい内容になっていたと思います。

投資教育教材の説明

つみたてNISA早わかりガイドブック
続いて、金融庁が作成した『つみたてNISA早わかりガイドブック』の内容にもとづいて、投資教育教材の説明が行われました。

ゆるキャラ(?)の「T-213」くんが、つみたてNISAについて説明する形で、長期分散投資の意義や手数料の重要性がコンパクトにまとめられています。このようなガイドブックを金融庁が作成するのは初めてとのことでした。

残念だったのは、かなりの早口で説明が行われたこと。(時間が押していたため、仕方なかったのですが)もう少しゆっくりと説明していただければ、初心者の方も理解しやすかったと思います。

私が考える「つみたてNISA」と「iDeCo」の活用法

4人の個人投資家が、事前に考えてきた「つみたてNISA」と「iDeCo」の活用法を発表。それぞれの発表に対して、下記の3名が、コメントを加えるという形式で進められました。

岩城みずほさん(ファイナンシャルプランナー)
大江加代さん(確定拠出年金教育協会理事)
神戸孝さん(FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社代表取締役)

発表されたのは、次の4つのケースです。

1. 20代、会社員、独身のケース
2. 30代、会社員、子供(4歳、1歳)のケース
3. 30代、会社員、既婚のケース
4. 40代、会社員、4人家族のケース(「低コストの投資信託で資産形成」のなるたくさん)

コメンテーターの3名からは、時に厳しいコメントもありましたが、全体的なアドバイスとして、「無理をしない範囲で長く続けること」「つみたてNISA、iDeCoと分けて考えるのではなく、資産全体のバランスで考えること」「iDeCoでは、定期預金を利用しない」といった点を強調されていました。

個人投資家からの税制改正要望ベスト5

モデレーター役の虫とり小僧さん進行の下、個人投資家からの税制改正要望ベスト5が発表されました。当日発表された要望は、次のとおり。

第1位:NISA制度の恒久化
第2位:つみたてNISAの投資上限額の拡大
第3位:NISA制度の一本化
第4位:「つみたてNISA」対象商品の見直し
第5位:スイッチング(リバランス) NISA口座内での商品の入れ替え

番外編:海外赴任者にもやさしい制度NISAシニアプラスの新設

個人的には、「NISA制度の恒久化」「つみたてNISAの投資上限額の拡大」「NISA制度の一本化」を実現させて欲しいです。

NISAの普及を第一に考えると、制度の一本化が重要だと思います。携帯電話のプランではありませんが、たくさんの制度が並行して存在すると、どれを選んでよいか、わからなくなりますし、選ぶこと自体面倒です。投資初心者の方にも気軽に始めてもらうためには、シンプルな制度設計が必要なのではないでしょうか。

「言質を取らせないが、期待させる官僚的発言」とのツッコミもありましたが、金融庁の方も個人投資家の要望は理解しており、実現に向けて関係当局と折衝を進めていくそうです。

今すぐの実現は難しくても、引き続き、個人投資家側も声を挙げていくことが重要だと感じました。

パネルディスカッション:つみたてNISAから考える日本の投資信託

イベントの締めくくりとして、下記の4名の方によるパネルディスカッションが行われました。

島田知保さん(『投資信託事情』発行人・編集長) 進行役
岡田篤さん(株式会社格付投資情報センター編集部 ファンド情報編集長)
山崎元さん(経済評論家)
田村正之さん(日本経済新聞社編集委員)

田村さんが作成されたスライドをベースに議論が進行。いつもの山崎節で、こちらがヒヤヒヤするような毒舌(正論ばかりですが)を吐く山崎さんに対して、島田さん、岡田さんがフォローする形でした。盛りだくさんな内容で、あっという間に40分が過ぎてしまいました。

印象に残った発言をご紹介します。

  • (島田さん)(参加者の半数以上が投資経験者だったことに対して)こういうイベントに玄人が参加するときは、投資未経験者の素人を一人は連れてくること
  • (島田さん)リタイア世代もインターネットを使いこなし、情報を収集するようになったことは、金融機関にとって脅威。
  • (島田さん)金融機関は、つみたてNISAを介して、若い世代と接点を持ちたいという思惑がある。保険のセット売りが出てくるかも。
  • (山崎さん)現在ある公募投信のうち、99%は「地雷」商品。
  • (山崎さん)つみたてNISAは、金融庁が用意した「投資教育教材」だと思う
  • (田村さん)投資家側の問題として、本来買うべきである安値圏で買わず、売っている。積立投資のメリットは、売買のタイミングを狙いたくなる心理的なワナを避けられること
  • (田村さん)近い将来、景気後退・株価のクラッシュが起こるかもしれないが、積立投資であればチャンス。投資を止めないこと
  • (田村さん)「インデックス投資とアクティブ投資のどちらか一方にすべき」ということはない。組み合わせて投資しても良い。ただし、コアの部分はインデックスファンドにしたほうが良い
  • (岡田さん)3つのアドバイスがある。「続けること、続けること、そして続けること

時折、島田さんがフォローされていましたが、全体的にはやや玄人向けの内容だったのではないでしょうか。もう少し初歩的なところから議論が進むと、初心者の方にはわかりやすかったと思います。

まとめ

これまでの意見交換会とは比較にならない規模で開催された今回の「つみフェス2017」。Twitterでトレンド入りするなど、大きな盛り上がりを見せました。

早速、多くのブロガーの方が参加レポートをアップされていますが、少しでも多くの方の目に留まり、NISAの普及がより一層進んで欲しいと願っています。このブログもその一翼を担えれば良いのですが。

個人的には、市場に残り続けることの重要性を再認識する機会になりました。これからも無理のない範囲で、積立投資を続けていきたいと思います。

<追記>2017.09.15

金融庁のサイトで、当日の発表資料一式が公開されました。

【外部リンク】つみたてNISA関連|金融庁

Financial Services Agency
7月26日に開催された「第4回金融庁と個人投資家の意見交換会」に参加してきました。

金融庁と個人投資家の意見交換会(第4回)
日時: 2017年7月26日(水) 19:00〜20:30
場所: 金融庁13階会議室
※ 意見交換会終了後、有志による懇親会有り

金融庁と個人投資家の意見交換会は、今回で第4回目。私は、前回に続き2回目の参加です。


【記事の目次】
1. 趣旨説明
2. 販売会社の方々による説明
3. 質疑応答
4. 「つみたてNISAフェスティバル」開催決定!!
5. 感想

趣旨説明

はじめに、金融庁職員の方から趣旨説明を兼ねた「つみたてNISA」の説明がありました。続けて、販売会社の方から「つみたてNISA」の準備状況についての説明があった後、1時間程度の意見交換という流れでした。今回参加されていた販売会社は、次の8社です。

  • 野村證券
  • 大和証券
  • ゆうちょ銀行
  • 三井住友銀行
  • SBI証券
  • 今村証券
  • 静岡銀行
  • 楽天証券(当日、飛び入り参加)

参加されていた販売会社は、証券業界のガリバーから地場証券、メガバンクから地銀大手とバラエティに富んだ構成でした。

その他、一般参加者として、山崎元さん、竹川美奈子さんをはじめ、有名投資ブロガーの方が多く参加されており、総勢70名程度の参加者が、前回と同じ重厚感あふれる会議室に集まっていました。

当日の意見交換会の内容をご紹介したいと思います。(なお、柴崎が聞き取れた・理解できた範囲でのメモであることをあらかじめご了承ください。事実誤認等があれば、コメント欄等でご指摘いただければ幸いです)

販売会社の方々による説明

前回は、運用会社の方がパネリストとして参加されていましたが、今回は販売会社の担当者の方々でした。

売り手側から見ると、あまり儲からなさそうな「つみたてNISA」。販売会社の方達が、「どれくらい本気で準備を進めているのか」、「どういったプロモーションを考えているのか」といった点が、今回の意見交換会で気になる点でした。

以下、パネリストとして参加されていた販売会社の方々の説明の概要です。

  • (野村)システム対応、業務フロー、対象商品の選定を進めている段階。制度開始の2018年1月に間に合う商品、間に合わない商品があると思う
  • (大和)「つみたてNISA」の認知度が低いので、プロモーションを進めていく
  • (大和)低コストの投資信託、ETFを取り扱っていきたい
  • (ゆうちょ)(あまり知られていないが)1500拠点で投資信託を扱っている。投資信託の販売拠点以外でも資産運用の重要性を訴えていきたい
  • (三井)対面での販売を重視。投資初心者を後押しするような「読本」を作成する
  • (SBI)金融庁の要件を満たすファンド(特に最低コストのもの)は全て取り扱いたい
  • (SBI)「DCを含めトータルで資産を管理したい」という顧客に来て欲しい。
  • (SBI)「つみたてNISA」の制度設計上、若い人向けだが、40〜50代の人にも定期売却の仕組みなどを活用して欲しい
  • (SBI)(あくまで担当者の私見だが)100本以上のファンドを取り扱うのではないか
  • (今村)北陸三県を拠点とする地場証券。自社システム開発の負担はあるが、顧客のためになるのであれば、採算度外視でやっていく。積立投資をプロモーションしていきたい
  • (静岡)システム対応、業務フローを確認中。静岡県民に対して、どのようにプロモーションしていけるか模索している段階
  • (楽天)取り扱えるファンドは、可能な限り提供していきたい
  • (楽天)「資産運用」ではなく、「資産形成」を後押しする制度が整ってきたと思っている。目先は儲からないが、10年先を見据えた展開を行なっていく
  • (楽天)100円積立、楽天スーパーポイントによるファンド購入のように、できるだけ投資のハードルを下げる仕組みを作る

それぞれ準備状況は異なりますが、まずは「つみたてNISA」の認知度を上げていきたい、という思いは、各社とも共通しているように感じました。

質疑応答

(大和証券の方の発言に対して)ETFも積立購入できるようになるのか?
→ (大和)「るいとう」の仕組みで、積立購入できるように対応中

幹部社員の中で、つみたてNISAに対してポジティブな考えを持つ人の割合は?
→ (各社)100%に近い(ただし、社員の中には後ろ向きな人がいるのも事実)

(「取り扱い商品では、あまり差がつかない」との発言に対して)差別化のためのキラーコンテンツはあるか?
→ (野村)コンサルティング力。(「それ、野村にきいてみよう」とのこと)
→ (SBI)毎日積立をできるようにしたい。ロボアドバイザーなども検討中
→ (今村)企業とタイアップし、新入社員向けの説明会を開催したい
→ (静岡)対面中心の販売力
→ (楽天)ポイント購入。パフォーマンスが分かりやすい画面も作り込んでいきたい

他にも
  • (金融庁に対して)つみたてNISAの要件である信託報酬率の水準を決める際、金融機関から陳情はあったのか?
  • (三井住友銀行に対して)読本の中で、アクティブファンドの選び方はどのように説明するのか?
  • 30代の資産形成層(例えば、年収500〜600万円)にオススメなのは、つみたてNISA?一般NISA?
といった質問が、1時間近くにわたり繰り広げられました。

「つみたてNISAフェスティバル」開催決定!!

意見交換会の最後に、金融庁職員の方から9月10日開催予定のイベント告知がありました。

つみたてNISAフェスティバル
  • 2017年9月10日(日)開催予定
  • 200名程度
具体的な内容は未定のようでしたが、これまでの意見交換会とは違い、200名程度という大規模なイベントです。どのような内容で開催されるのか、今から楽しみです。

感想

それぞれの準備状況、取り組み姿勢は異なりますが、各社とも「つみたてNISAの認知度を上げたい」「つみたてNISAをきっかけに、資産形成層を広げていきたい」という思いは、共通しているように感じました。

実際のところ、目先の利益だけを考えると、つみたてNISAは利益が少ないようです。ですが、販売会社の方から、「10年後、20年後を見据えて、取り組んでいきたい」との発言があったことは、頼もしい印象を受けました。

有言不実行とならないように、是非とも顧客本位の姿勢で「つみたてNISA」の定着に向けて取り組みを進めていただきたいと思います。

<追記>2017.08.14

相互リンクさせていただいているNightWalkerさんの記事で、私の参加レポートをご紹介いただきました。

他の投資ブロガーさんの参加レポートも併せて紹介されていますので、ぜひご一読ください。

【外部リンク】第4回つみたてNISA説明会@金融庁 ...|NightWalker's Investment Blog

<追記>2017.09.14

つみたてNISAフェスティバル2017(略して、つみフェス2017)に参加しました。参加レポートをまとめていますので、ぜひご覧ください。

【参考】「つみたてNISAフェスティバル2017」に参加。市場に残り続けることの重要性を再認識

FSA_handout1706
6月29日に開催された「第3回金融庁と個人投資家の意見交換会」に参加してきました。

きっかけは、投信ブロガー・虫とり小僧さんの告知記事でした。

金融庁と個人投資家の意見交換会(第3回)
日時: 2017年6月29日(木) 19:00〜20:30
場所: 金融庁13階会議室
※ 意見交換会終了後、有志による懇親会有り

集合場所のメインエントランスが分からず、迷っていたところ、経済評論家の山崎元さん、インデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんを発見。お二人の後について行き、無事集合場所にたどり着くことができました。

意見交換会の会場は、有識者会議が行われていそうな重厚な作りの会議室。弱小個人投資家の私は、それだけで圧倒されてしまいました。

冒頭に、金融庁職員の方から会の趣旨説明を兼ねた「つみたてNISA」の説明があった後、運用会社の方からお話がありました。今回参加されていた運用会社は、次のとおりです。

  • 野村アセットマネジメント株式会社
  • 大和証券投資信託委託株式会社
  • レオス・キャピタルワークス株式会社・藤野英人社長
  • セゾン投信株式会社・中野晴啓社長
  • ニッセイアセットマネジメント株式会社
  • ブラックロック・ジャパン株式会社
  • 三菱UFJ国際投信株式会社

その他にも、山崎元さん、カン・チュンドさんをはじめ、有名投資ブロガーが多く参加されていました。

当日の意見交換会の内容をご紹介したいと思います。(なお、柴崎が聞き取れた・理解できた範囲でのメモであることをあらかじめご了承ください。事実誤認等があれば、コメント欄等でご指摘いただければ幸いです)

金融庁による「つみたてNISA」の趣旨説明

まずは冒頭に行われた金融庁職員の方からの趣旨説明です。

  • 我が国の家計金融資産(約1,700兆円)のうち、52%(約900兆円)が現預金
  • 米英に比べると株式・投信等の割合が低く家計金融資産が伸びていない
  • 3世帯に1世帯は、有価証券・定期預金等による資産形成ができていない(「家計の金融行動に関する世論調査」)
  • 顧客本位の業務運営に関する原則の定着」、「実践的な投資教育の推進」、「つみたてNISAの創設」により家計の資産形成を後押ししていきたい
  • 投資初心者向けの実践的な投資教材を作成中
  • つみたてNISAでは、投資対象商品の要件を設定、日本の公募型投資信託の1%程度(50〜60本)が対象になる
  • 対象商品の多くはインデックスファンド。アクティブファンドで要件を満たすものは5〜6本程度

金融庁の方による説明では、実践的な投資教材を作成中とのことでしたが、今後どのように公開され、活用されていくのか興味があります。

運用会社の方々による説明

パネリストとして参加されていた運用会社の方々による説明の概要です。

  • (野村)若年層の投資を後押ししていきたい。分かりやすく、シンプルな商品の設計を検討中
  • (野村)ETFの普及も必要だと感じている
  • (セゾン)販売会社の多くは「やってられない」と思っているのが実情。金融庁が「つみたてNISA」の普及に向けて取り組んでいくかが鍵になる
  • (ニッセイ)新商品の開発を進めて行きたい。バランスファンドは、こだわりを持って進める
  • (ニッセイ)「純資産総額が伸びれば、既存の投資家に還元していく」という方針。毎年、ある時期になると噂が飛び交うが、毎年、信託報酬を引き下げる訳ではない。結果的にそうなることはあるかもしれないが・・・
  • (ブラックロック)ETFは、投資家にとっての新しいテクノロジー

セゾン投信の中野社長が、販売会社の実情を踏まえながら、金融庁の役割について一言物申す姿が印象的でした。

また、2年連続で信託報酬を引き下げてきたニッセイ。「毎年信託報酬を引き下げる訳ではない」と予防線を張りつつ、「結果的にそうなるかも」と期待させる発言も。

質疑応答

金融リテラシーが高い個人投資家のみなさんが質問されていたので、正直理解できていない部分も多いです。

  • S&P500をベンチマークにした商品の開発は?
  • アクティブファンドの場合、ファンドマネージャーが交代するとファンドの性格が変わる。つみたてNISAのような長期投資に耐えられる?
  • 夫は預金主義で、投資に消極的。例えば、夫婦割のような制度があるといいと思うが、導入したらどうか?
  • ETFで、分配金自動再投資(ドリップ方式)の仕組みは導入しないのか?

感想

このような投資関連のイベントに参加するのは初めてだったので、終始緊張しっぱなしでしたが、山崎さんや有名ブロガーを間近で拝見することができ、貴重な経験を得ることができました。

また、個人的に気になっていた「地方開催」についても言及があったのは良かったと思います。東京と同じメンバーという訳にはいかないようですが、地方の財務局に依頼すれば、無料で講師を派遣してもらえるとのこと。

有志による懇親会の場で、金融庁職員の方にお話させていただきましたが、是非ともウェビナー形式でも意見交換会を開催していただければと思います。インターネット上で情報交換できれば、遠方の方や忙しい方も参加しやすいのではないでしょうか。ご検討いただければ幸いです。

質疑応答や懇親会では話が盛り上がり、次回は「販売会社の方に来てもらって、話を聞こう」という一幕も。機会が合えば、次回も参加したいと思いました。

Book_Bank
橋本卓典さんの『捨てられる銀行2 悲産運用』(講談社, 2017.4)を読みました。

概要

捨てられる銀行2 非産運用 / 橋本卓典.
東京 : 講談社, 2017.4. 285p : 18cm.

著者の橋本卓典さんは、共同通信社経済部の記者で、『捨てられる銀行』(講談社, 2016.5)を執筆された方です。

本書の目次は、次のとおりです。
  • はじめに 「売られるあなた」
  • 第1章 動き出した資産運用改革
  • 第2章 ニッポンのヒサンな資産運用
  • 第3章 フィデューシャリー・デューティーとは何か
  • 第4章 年金制度の変化と資産運用改革
  • 第5章 改革の挑戦者から何を学ぶか
  • 終章 「売られないあなた」になるために
  • おわりに


前作の『捨てられる銀行』(講談社, 2016.5)では、森信親金融庁長官が進める改革のうち「企業・経済の持続的成長」を取り上げ、地域金融の問題について解説していました。本書では、もうひとつの改革方針である「安定的な資産形成」を取り上げています。

「悲産運用」とは?

金融資産の推移
(出典:金融庁「長期・積立・分散投資に資する投資信託に関するワーキング・グループ」第1回・事務局説明資料より転載)

上記の図は、本書の冒頭で紹介されているものです。

金融庁がまとめた資料によれば、ほぼ同時期において、アメリカの家計金融資産は3.11倍、イギリスは2.27倍に増加した一方で、日本は1.47倍にしか増えていません。

こうした状況を踏まえ、橋本さんは、これまでの日本の資産運用は「資産運用に非らず」だったとして、「非産運用」という造語を本書のタイトルにされています。

非産で、悲惨でもあった日本の資産運用が、金融庁の改革でどのように変化しようとしているか、ということが本書の大きなテーマになっています。

資産運用改革のキーワード「フィデューシャリー・デューティー」

森信親金融庁長官による資産運用改革のキーワードが「フィデューシャリー・デューティー(Fiduciary Duty)」です。第3章では、フィデューシャリー・デューティーについて、歴史的経緯や海外の事情を紹介しながら、解説が行われています。

これまで金融機関は、顧客との間にある情報量の差を利用し、金融機関にとって都合のいい商品を顧客に売りつける営業を行ってきました。

しかし、「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成」を最重要テーマに掲げる金融庁の改革では、フィデューシャリー・デューティー(真に顧客本位の業務運営)が重視されているため、金融機関の中には「フィデューシャリー・デューティー宣言」を公開するところも出てきているそうです。

「足るを知る」の哲学 巨大資産運用会社バンガード

第5章「改革の挑戦者から何を学ぶか」では、資産運用を取り巻く金融機関の改革として、国内外の事例が紹介されています。その中でも一番興味を持ったのが、資産運用会社バンガード(Vanguard)の事例です。

一部のインデックス投資家の間で、熱狂的な支持を受けるバンガード。本書では、創業者のジョン・C・ボーグルのエピソードやバンガードの企業姿勢が紹介されています。簡単にご紹介すると

  • 外部株主を持たない統治構造。バンガードの米国籍の各ファンドが運用残高に応じてバンガードの株式を所有している。
  • 世界初の個人投資家向けインデックスファンドを売り出した時、「ボーグルの愚行(Bogle's folly)」とさえ揶揄された。
  • 年に一度、「ボーグルヘッド・カンファレンス」というバンガード・ファンの個人投資家(ボーグルヘッド)を本社に招くイベントを開催。
  • 徹底したコスト管理。運用報告書を印刷する場合、外注よりも内製化した方が安いと判断したら、自社の印刷工場で印刷を行う。
  • 販売会社に対して、手数料をキックバックしないという世界的な方針を持っている。

私自身は、バンガードのファンドを保有していません。しかし、本書に書かれたエピソードを読むと、多くのインデックス投資家が、バンガードを支持する理由がわかりました。

まとめ

本書は、日本の悲惨な資産運用の実態を概観した上で、森信親金融庁長官の改革によって、「資産運用の現場がどのように変化しようとしているか」について、解説を行っています。

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」にメッセージを出したことから、インデックス投資家の間でも話題に挙がることが多い森信親金融庁長官。本書は、森信親金融庁長官が推し進める資産運用改革を知るためにも、また日本の資産運用の実態を知るためにも欠かすことができない一冊だと思います。


↑このページのトップヘ