インデックス投資で長期航海

インデックス投資を中心とした投資ブログ。30代の会社員が資産形成、お金、教育について語ります。

タグ:行動経済学

ヘンテコノミクス : 行動経済学まんが
佐藤雅彦さん、菅俊一さんが執筆された「ヘンテコノミクス : 行動経済学まんが」を読みました。

本書は、メディアクリエイターが執筆した異色の行動経済学入門書。マンガで、行動経済学のエッセンスを学ぶことができる一冊です。

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競争社会の歩き方
相互リンク先のけいのすけさんが紹介されていた『競争社会の歩き方 : 自分の「強み」を見つけるためには』(中央公論新社, 2017.8)を読みました。

本書は、行動経済学の知見を紹介した本で、知的好奇心をくすぐられる一冊でした。

【外部リンク】インデックス投資は行動経済学上も理にかなっている!「競争社会の歩き方」(大竹文雄著)を読了|開店休業インデックス投資Way

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The art of money and how to use it better
経済コラムニスト・大江秀樹さんの『教科書にないお金の増やし方・守り方 : 行動経済学で解決する50のムダづかい』(大和書房, 2016.12)を読みました。

概要

教科書にないお金の増やし方・守り方 : 行動経済学で解決する50のムダづかい / 大江秀樹.
東京 : 大和書房, 2016.12. 255p : 19cm.

著者の大江秀樹さんは、野村證券を退職後、オフィス・リベルタスを設立。経済コラムニストとして、行動経済学・資産運用・企業年金等をテーマに、執筆やセミナーを行われています。

本書の目次は、次のとおりです。
  • Lesson 1 人は「損失を避ける」ことを優先する : なぜ合理的に考えられないのか
  • Lesson 2 誰もが「心の錯覚」で買ってしまう : 直観や衝動は押しのけられるか
  • Lesson 3 幸せになる使い方を選び取る : お金で買える楽しみを増やすには
  • Lesson 4 不合理な選択をしない体質になる : 本当に欲しいものだけを買うには

「勘定」よりも「感情」を優先してしまう私たち

タイトルに「お金の増やし方・守り方」とありますが、この本は資産運用や蓄財のノウハウ本ではありません。「はじめに」に書かれているように
日常の何気ない行動の中で陥りがちな「心の罠」ともいうべきものを学ぶことによって、若いうちからお金に関する基本的な教養を身につけ、気がつかないうちに損をしてしまうことのないようにする
(1ページより引用)
ことが、この本の狙いです。

お金のことを判断する場合、私たちは、損か得かといった「勘定」を判断しなければならないのにも関わらず、しばしば「感情」を優先してしまいがちです。本書では、こうした不合理な意思決定について、行動経済学の観点から多くの事例とともに解説が行われています。

不合理な行動の例をいくつか紹介すると

  • 「定期預金の解約は損だ」と思い、ローンを組む(損失回避性のバイアス)
  • 高い買い物の時ほど、予定外の出費が増えていく(参照点、ディドロ効果)
  • 1万円札は崩したくないが、お釣りはすぐに使ってしまう(メンタル・アカウンティング)
  • ポイントを増やすために、無駄な買い物をしてしまう(保有効果)

ここで挙げた事例の他にも、読みながら「あるある」と思える事例がたくさん出てきます。日常生活の中で、私たちがどれほど不合理な行動をとっていることか・・・やっかいなのは、客観的に見える数字の中にも「心の罠」が潜んでいることです。

ベストな判断でお金を使うための5つの行動習慣

結論では、不合理な意思決定に陥らないための5つの行動習慣が説明されています。私自身の備忘録も兼ねて、ご紹介します。
  1. 仕組み化する
  2. ルールを決める
  3. 良いか悪いかではなく、必要か不必要かで決める
  4. 相手の側に立って考えてみる
  5. 見た目に惑わされない

(238-251ページより)

本書では、行動経済学の考えを活用したマーケティング例についても説明が行われています。

例えば、「無料サービス」のように、相手側が損をしているように見えるものの、実はしっかりと儲けているケースが、世の中には多く存在しています。こうしたケースで損をしないためには、「相手の側に立って考えてみる」必要があるとのこと。

まとめ

本書は、ひとつの事例について、4〜5ページ程度で説明が行われており、手に取りやすい行動経済学の本になっています。解説されている「心の罠」の中には、簡単に回避できそうなものもあれば、回避が難しそうなものもありますが、不合理な行動を取ってしまう心の仕組みについて知ることで、大きな損は避けられそうです。時折、本書を読み返すことで、「心の罠」の存在を再確認していきたいと思いました。



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