インデックス投資で長期航海

インデックス投資を中心とした投資ブログ。30代の会社員が資産形成、お金、教育について語ります。

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お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方
橘玲(たちばな あきら)さんの『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬社, 2017.8)を読みました。経済合理的な考え方を学ぶことができる良書でした。

概要

新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 : 知的人生設計のすすめ / 橘玲.
東京 : 幻冬社, 2017.8. 418p : 16cm.

著者の橘玲さんは、投資や経済に関する著書を数多く執筆されている方です。これまでの著作には、本ブログでご紹介した『臆病者のための億万長者入門』があります。

【参考】資産運用の真実を解き明かす本。『臆病者のための億万長者入門』(橘玲著)

本書の目次は、次のとおり。
  • 0 「黄金の羽根」ができるまで
  • 1 世界にひとつしかないお金持ちの方程式
  • 2 誰も知らない資産運用の常識
  • 3 不動産の呪縛を解き放つ法則
  • 4 生命保険は損をすることに意味がある
  • 5 見えない「貧困化」が拡がっている
  • 6 国家に惜しみなく奪われるひとびと
  • 7 「個人」と「法人」、ふたつの人格を使いこなす
  • 8 マイクロ法人で人生が変わる
  • 9 不可能を可能にする奇跡のファイナンス
  • 10 税金について知りたいほんとうのこと
  • 11 税務調査の裏と表
  • 12 クリエイティブクラスとマックジョブ

本書は、2002年12月に発売された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬社)がベースになっています。

文庫化にあたって、マイナンバーの導入、法人に対する社会保険の加入義務の厳格化、海外資産の捕捉強化についての記述が加筆され、再構成されています。

「黄金の羽根」とは?

タイトルを見たとき、まず気になるのが「黄金の羽根」の意味。本書では、次のように定義されています。

黄金の羽根
制度の歪みから構造的に発生する"幸運"。手に入れた者に大きな利益をもたらす。
(3ページから引用)

2002年に開催された日韓ワールドカップでのチケット争奪戦を例に挙げながら、制度の歪みがもたらす経済的な利益について説明が行われています。

本書は、このような制度の歪みを紹介することで、自由な人生を過ごすために必要な資産の築き方を指南する内容になっています。

内容を大きく分けると、
  1. 資産運用
  2. マイクロ法人
という2つのテーマに分けることができます。

テーマ1:資産運用の知識

前半部分(1章〜5章)では、資産運用の知識が解説されています。話の大枠は、『臆病者のための億万長者入門』の内容と同じでした。

本書でも、これまで資産運用の「常識」とされてきたことが、実は間違っていることを、明快な文章で明らかにしています

ただ、個人的には、「長期投資が成功するとはかぎらない」(144〜150ページ)の部分は、少しもやもやしています。国内外の株式に分散投資する場合だったら、橘さんの主張はどうなんだろうか・・・(もう少し読み込んで、頭を整理したい部分です)

テーマ2:マイクロ法人の知識

後半部分(6章〜11章)では、「個人」と「法人」の2つの人格を使い分けるマイクロ法人化の知識が紹介されています

いかにサラリーマンは国家から搾取されているのか、ということを論じた上で、税金・社会保険料のコストを抑えるための戦略として、マイクロ法人化が説明されています。

搾取される側である、典型的なサラリーマンの私にとっては、「そういう世界もあるのか」と、非常に勉強になりました。こちらの戦略をすぐに取り入れることはできませんが、選択肢のひとつとして覚えておきたいと思います。

経済合理的な人生設計を考えたい方に

歯切れの良い文体の本書は、読んでいて痛快。また、本書を読むことで、資産運用だけでなく、働き方も含めた広い意味での人生戦略を学ぶことができます。

経済合理的な人生設計を考えたい方におすすめの一冊です



臆病者のための億万長者入門
橘玲(たちばな あきら)さんの『臆病者のための億万長者入門』(文藝春秋, 2014.5)を読みました。

概要

臆病者のための億万長者入門 / 橘玲.
東京 : 文藝春秋, 2014.5. 254p : 18cm.

著者の橘玲さんは、金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。小説の他にも投資や経済に関する著書を数多く執筆されている方です。

本書の目次は、次のとおりです。
  • はじめに 金融業界の不都合な真実をすべてのひとに
  • 第1章 資産運用を始める前に知っておきたい大切なこと
  • 第2章 「金融の常識」にダマされないために
  • 第3章 臆病者のための株式投資法
  • 第4章 為替の不思議を理解する
  • 第5章 「マイホーム」という不動産投資
  • 第6章 アベノミクスと日本の未来
  • 終章 ゆっくり考えることのできるひとだけが資産運用に成功する
  • あとがき 金融リテラシーの不自由なひとに感謝を

金融業界では、誰もが当たり前だと思っているけれど、不都合であるため、ほとんどの人が説明してこなかった「資産運用の常識」。本書は、そんな資産運用の常識をシンプルな論理で説明してくれます。

株式投資、為替、不動産投資といった資産運用全般に関わるテーマを取り上げ、リスク耐性が低く「臆病者の投資家」である個人投資家に対して、自分や家族の生活を守るための方法を指南する構成になっています。

あとがきのタイトルが、「金融リテラシーの不自由なひとに感謝を」となっていることからもわかるように、説明の語り口はややシニカル。クスリと笑ってしまうような文章が散りばめられています。


インデックス投資家におすすめなのが、第3章の「臆病者のための株式投資法」。

「レバレッジ」、「複利」、「複雑系」といったキーワードを挙げながら、株式投資やインデックス投資の有効性を説明しています。

特に、次の文章が印象に残っています。
「資本主義」とは、複利とレバレッジによってバランスシートを拡張していく運動のことなのだ。
(109ページから引用)
株式会社は、株主から集めた資本金に、銀行などからの借金(=レバレッジ)を加えた総資産を運用しているため、長期的に市場が成長していくのであれば、レバレッジをかけた分だけ有利である、という主張でした。

本書は、株式投資のほかにも
  • 「マイホームと賃貸、どちらが得か」といった議論
  • 金融商品としてみた「宝くじ」の罠(「愚か者に課せられた税金」という表現が印象的)
  • 為替の不思議
  • 年金問題
といったお金に関わる様々な常識を解説しています。

金融リテラシーを高めるためにも、時折読み返すことで、本書が取り上げている金融の常識を身につけていきたいと思います。

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