臆病者のための億万長者入門
橘玲(たちばな あきら)さんの『臆病者のための億万長者入門』(文藝春秋, 2014.5)を読みました。

概要

臆病者のための億万長者入門 / 橘玲.
東京 : 文藝春秋, 2014.5. 254p : 18cm.

著者の橘玲さんは、金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。小説の他にも投資や経済に関する著書を数多く執筆されている方です。

本書の目次は、次のとおりです。
  • はじめに 金融業界の不都合な真実をすべてのひとに
  • 第1章 資産運用を始める前に知っておきたい大切なこと
  • 第2章 「金融の常識」にダマされないために
  • 第3章 臆病者のための株式投資法
  • 第4章 為替の不思議を理解する
  • 第5章 「マイホーム」という不動産投資
  • 第6章 アベノミクスと日本の未来
  • 終章 ゆっくり考えることのできるひとだけが資産運用に成功する
  • あとがき 金融リテラシーの不自由なひとに感謝を

金融業界では、誰もが当たり前だと思っているけれど、不都合であるため、ほとんどの人が説明してこなかった「資産運用の常識」。本書は、そんな資産運用の常識をシンプルな論理で説明してくれます。

株式投資、為替、不動産投資といった資産運用全般に関わるテーマを取り上げ、リスク耐性が低く「臆病者の投資家」である個人投資家に対して、自分や家族の生活を守るための方法を指南する構成になっています。

あとがきのタイトルが、「金融リテラシーの不自由なひとに感謝を」となっていることからもわかるように、説明の語り口はややシニカル。クスリと笑ってしまうような文章が散りばめられています。


インデックス投資家におすすめなのが、第3章の「臆病者のための株式投資法」。

「レバレッジ」、「複利」、「複雑系」といったキーワードを挙げながら、株式投資やインデックス投資の有効性を説明しています。

特に、次の文章が印象に残っています。
「資本主義」とは、複利とレバレッジによってバランスシートを拡張していく運動のことなのだ。
(109ページから引用)
株式会社は、株主から集めた資本金に、銀行などからの借金(=レバレッジ)を加えた総資産を運用しているため、長期的に市場が成長していくのであれば、レバレッジをかけた分だけ有利である、という主張でした。

本書は、株式投資のほかにも
  • 「マイホームと賃貸、どちらが得か」といった議論
  • 金融商品としてみた「宝くじ」の罠(「愚か者に課せられた税金」という表現が印象的)
  • 為替の不思議
  • 年金問題
といったお金に関わる様々な常識を解説しています。

金融リテラシーを高めるためにも、時折読み返すことで、本書が取り上げている金融の常識を身につけていきたいと思います。