インデックス投資で長期航海

低コストインデックスファンドを活用し、国内/先進国/新興国の株式に分散投資を実践中。ブログで、投資および資産状況を公開しています。

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2017年1月から、個人型確定拠出年金(iDeCo)加入対象者の範囲が拡大されます。

この拡大によって、私も加入できるようになるため、経済評論家・山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』(日本実業出版社, 2016.6)を読みました。

概要

確定拠出年金の教科書 / 山崎元.
東京 : 日本実業出版社, 2016.6.  232, 3p : 19cm.

著者の山崎元さんは、経済評論家として、数多くの著書を出されている方です。

本書は、「まえがき」に

与えられた条件の下で、加入者個人にとって「最も得なのは、何か?」と問うことによって、確定拠出年金に関連する全ての意思決定がシンプルに決められることを、本書ではお伝えしたい。

(「まえがき」より引用)

とあるように、個人型と企業型の確定拠出年金について、制度のメリット、始め方、合理的な活用法などを、幅広くまとめた教科書になっています。

本書の目次は、次のとおりです。

  • 第1章 確定拠出年金で、何がどれほど得になるのか
  • 第2章 なぜ今、確定拠出年金が話題なのか : 政府の思惑、企業の本音
  • 第3章 確定拠出年金の始め方
  • 第4章 確定拠出年金を「合理的」に使いこなそう
  • 第5章 確定拠出年金の諸手続について
  • 第6章 変化に対応する

なお、山崎元さんが想定する本書の利用法は

  1. 普通の読者: 第5章を飛ばして、第1章から第6章までを通読
  2. 急ぎ気味の読者: 第3章 → 第4章 → 第6章
  3. 結論を急ぐ読者: 第4章

とのことです。

確定拠出年金のメリット

第1章では、確定拠出年金のメリットについて説明が行われています。

まず税制面での3つのメリットとして、

  1. 掛け金が全額「非課税」になり、所得税や住民税が減る
  2. 運用中の利益にかかる税金も「非課税」になる
  3. 老後に受け取る時も、税金の控除がある
    (18-23ページより)
が挙げられていました。

なお、刷によっては、一部修正が間に合わなかった箇所があるようです。詳細は、山崎元さんの公式ブログの記事をご参照ください。

【告知】「確定拠出年金の教科書」一部修正します | 評論家・山崎元の王様の耳はロバの耳!

運用資産の一部を、確定拠出年金制度に切り替えることで、所得税や住民税の減税を図ることができます。加えて、運用中の利益にかかる税金が非課税になることも、大きなメリットです。また、投資を始めたことがない人にとっても、第1のメリットである「掛け金の全額非課税」は、魅力的なのではないでしょうか。

更に、第1章では、税制面以外のメリットについても、個人と企業の両側面から詳細な説明が行われています。

確定拠出年金の最適利用法 : 運用商品選択の実践五原則

山崎さんが「本書の目玉となるパート」としている第4章では、確定拠出年金で、運用商品を決めるための実践五原則が解説されています。
  1. 資産の大まかな分類(アセットクラス)毎に1商品、シンプルなものを選ぶ
  2. 同じアセットクラスならコストの安い商品を選ぶ
  3. 手数料の安い、国内外株式のインデックス・ファンドで運用する
  4. 特に、外国株式のインデックス・ファンドの手数料に注目する
  5. 自社株に投資する商品と、運用管理手数料の高い商品を避ける

(95ページより引用)

他の著作でも紹介されていますが、「国内株式:外国株式 = 5 : 5」のアセットアロケーションで、手数料の安い外国株式のインデックス・ファンドを確定拠出年金に優先的に割り当てていく、という方法が紹介されています。

山崎さんの説明は、非常に合理的で、納得させられる部分が多いのですが、iDeCoの運用資産は、「年金支給年齢まで引き出すことができない」などの制約があるため、私の場合、個人の運用資産と完全に合算はせずに、別物として運用したいと考えています。(iDeCoのアセットアロケーションについては、現在検討中)

ざっくりとした合算で、"個人の運用資産"と"iDeCoの運用資産"を管理できればいいかな」ぐらいの感覚です。

ただ、上記の五原則は商品選択の際の指針になる原則だと思うので、今後も参考にしていきます。

確定拠出年金の諸手続について

第5章では、運用内容の変更、受け取り方、移管、脱退などの諸手続きについて、詳細に説明がなされています。ただ、山崎さんご本人が「まえがき」で仰っているように、多くの人にとって、年金の受け取りは遠い将来のことですし、移管なども頻繁に行うものではないため、今一ピンとこない部分が多い章でもありました。

確定拠出年金の紹介記事では、こうした諸手続について解説されることは少ないため、第5章の内容は、必要に応じて、参照すれば良いのではないかと思います。

まとめ

商品選びの考え方など、従来の"山崎節"が踏襲されています。その上で、広範囲に渡り、個人型と企業型の確定拠出年金について解説した本書は、まさに「教科書」と言える一冊です。今後も適宜、場面に応じて読み返したいと思います。



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ゴールデンウィークの休みを利用し、『全面改訂 ほったらかし投資術』を再読しました。

概要

全面改訂ほったからし投資術 : インデックス運用実践ガイド / 山崎元, 水瀬ケンイチ.
東京 : 朝日新聞出版, 2015.6.  239p : 18cm.




経済評論家の山崎元さんと有名ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」の管理人である水瀬ケンイチさんの2人によるインデックス投資の入門書です。

目次は、次のとおりです。
  • 序章 人はどのようにしてインデックス投資家になるか : 水瀬ケンイチの投資遍歴
  • 第1章 さっそく、始めてみよう! : インデックス投資の正しい手順ガイド
  • 第2章 一歩先行くあなたへ : インデックス投資説明編
  • 第3章 商品ガイド編 : インデックスファンド、ETFの「ミナセ・シュラン」
  • 第4章 マニア向けの特別付録 ETF運用の現場を知りたい! : 日興アセットマネジメントETFセンター長・今井幸英さんに聞く

インデックス投資の正しい手順ガイド(第1章)

第1章では、章題のとおり、インデックス投資を始めるための手順が紹介されています。
筆者らが紹介する手順は、次のとおりです。
  1. 家計の状態を把握する
  2. 資産配分(アセットアロケーション)を決める
  3. アセットクラスごとにベストな商品を選ぶ
  4. 商品を売買する金融機関を決める
  5. DC(確定拠出年金)、NISA(少額投資非課税制度)を最大限に利用する
  6. モニタリングとメンテナンス
(30-31ページより引用)
細かな点については、お二人の意見が異なる部分もあるようで、両者の意見がそれぞれ併記されています。お二人の意見のうち、どちらを参考にするかについては、自身の状況を踏まえながら、取捨選択してけばよいと思います。

ちなみに私は、生活防衛資金の金額については水瀬派(= 生活費の2年分程度の確保が必要)、リバランスの方法については山崎派(= ノーセル・リバランスを時期に関係なく実施)でした。

インデックス投資を続けるための秘訣(第2章)

続く第2章では、インデックス運用の利点および欠点について整理した上で、インデックスファンド、ETFを選ぶためのポイント、運用中の心構えなどが説明されています。

お二人が説明するインデックスファンド、ETFの選択ポイントは、次の4点です。
  1. 信託報酬・実質コストができるだけ低い商品(低ければ低いほどよい)
  2. 純資産額が大きい商品(少なくとも100億円以上欲しい)
  3. 不安定な要素ができるだけない商品(市場価格と基準価額の乖離や、繰上償還の可能性は小さいほどよい)
  4. 利便性が高い商品(少額から購入できる、分配金再投資が自動でできる、積立投資が自動でできるなど)
(139ページより引用)
この4点を意識すれば、今後新たな商品がでてきても、「投資すべき商品かどうか」について、自分で判断できそうです。

また、第2章の「ほったらかし」にするためのテクニック集やいわゆる出口戦略は、とても参考になります。特に、出口戦略ですが、「リタイア直後に暴落したらどうするのか」や「定額解約がいいのか、定率解約がいいのか」といった疑問に対する考え方のヒントが書かれており、将来の売り方を再考するきっかけになりました。

最後に「インデックス派VS.アクティブ派「神学論争」でのふるまい方」として、無用な争いを避けるための振る舞い方が紹介されています。投資スタイルは、人それぞれのため、他の投資スタイルを無闇に批判することは気をつけたいと思いました。

具体的な商品ガイドとETF運用の現場について(第3章、第4章)

第3章では、投資候補商品として、具体的なインデックスファンド、ETFが紹介されています。これからインデックス投資を始める方にとっては、商品選びの参考になるのではないでしょうか。第4章のETF運用の現場についてのインタビューは、難しい部分もありますが、始めて知ることも多く、勉強になりました。

まとめ

インデックス投資を始めたい方や既に実践している方にもオススメの一冊です。私自身、時々再読していきたいと思っています。

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