先週に引き続き、投資マンガ『インベスターZ』で、本多静六の『私の財産告白』が取り上げられていました。

【参考】今週の『インベスターZ』で、本多静六の『私の財産告白』が紹介

私の財産告白 / 本多静六.
東京 : 実業之日本社, 2005.7. 213p : 19cm.


私の財産告白
本多 静六
実業之日本社
2005-07-10


今回のエピソードで、キーワードのひとつになっていた本多式「四分の一貯金法」をご紹介したいと思います。

本多式「四分の一貯金法」とは?

本多静六は、明治から昭和にかけて活躍した林学者で、日比谷公園などの設計・改良に携わり、「公園の父」として知られています。林学や造園学分野での活躍に加え、倹約で貯めたお金を投資し、莫大な資産を築いた投資家としても著名な人物です。

そんな本多静六が実践した貯金法が、「四分の一貯金法」でした。

貯金法の考え方を方程式にすると

貯金 = 通常収入 × 1/4 + 臨時収入 × 1/1

通常収入: 給料などの月々の決まった収入、利子
臨時収入: 著作収入、賞与、旅費残額などの臨時的な収入

つまり、「給料などの通常収入は四分の一を天引きで貯金し、賞与などの臨時収入は全額貯金する」という貯金法です。

元々、本多静六は、幼少期から貧乏生活を送っていました。ある時、「生活の独立」「精神の独立」を得るため、貧乏生活から抜け出そうと決意します。

貧乏を征服するには、まず貧乏をこちらから進んでやっつけなければならぬと考えた。貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤勉貯蓄をつとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬと考えた。
(22-23ページより引用)

ただでさえ、生活にゆとりがない中で、通常収入の四分の一を天引き貯金するのですから、最初のうちは大変な苦労だったようです。

しかし、次第に、貯金の利子や配当といった収入が増え、40歳の頃には、大学から貰う給料よりも多い副収入を得ていました

ブレンターノ先生の教え

本多静六が、勤勉貯蓄に励んだ背景には、ドイツ留学時代の恩師ブレンターノ(Lujo Brentano, 1844-1931)の教えがありました。

ブレンターノ先生から言われた言葉として、本多は次の言葉を紹介しています。

財産を作ることの根幹は、やはり勤勉貯蓄だ。これなしには、どんなに小さくとも、財産と名のつくほどのものはこしらえられない。さて、その貯金がある程度の額に達したら、他の有利な事業に投資するがよい。(中略)現にドイツの富豪貴族の多くは、決して勤勉貯蓄ばかりでその富を得たものではない。こうした投資法によって国家社会の発展の大勢を利用したものである
(29-30ページより引用)

本多は、ブレンターノ先生からの助言に従い、「四分の一貯金法」で貯めたお金を、鉄道株や山林などに投資しました。その結果、莫大な資産を築くことができたのです。

「仕組みづくり」と「本業による収入」が重要

本多静六が実践した「四分の一貯金法」は、資産を築くために必要な「雪だるまの芯」を作る方法です。「雪だるまの芯」を作るための仕組みづくりは大変かもしれませんが、仕組みさえできてしまえば、後はゆっくりと資産を大きくしていくことができます。そのため、最初のうちに、しっかりとした仕組みを作っておくことが重要です。

また、もうひとつ重要なことは、「四分の一貯金法」の実践には、本業による収入が欠かせない、ということ。はじめから大きな資産を持っていない限り、月々の通常収入は貴重な収入源です。まずは、本業からの収入で、ある程度の資産を貯めていき、次第に配当などの副収入の割合を高めていくことが重要です。