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クラウドファンディングReadyforで、筑波大学附属図書館が支援金を募集しています。


国立大学に配分される「運営費交付金」が減額され、筑波大学附属図書館では資料購入費が減少し、主要な雑誌や新聞の購読さえも中止せざるを得ない状況に。学習・研究を支える基礎となる本を提供することは、図書館の大切な使命です。大学教育の質を下げないための工夫が迫られる中、クラウドファンディングを通じ、良質な本を充分に揃えるため支援金を募集します。
Readyforのページより引用)
昨年、同じ大学図書館の悲しすぎる台所事情として、大阪大学の事例がニュースになっていました。

【外部リンク】大阪大学図書館の「悲しすぎる台所事情」 外国語学部なのに「中国語研究」「ロシア月報」など70冊購読中止

大阪大学や筑波大学のような研究型の総合大学であっても、大学図書館が置かれている状況は厳しいようです。

筑波大学のプロジェクト概要によれば、2017年度の購読雑誌は前年から半減、2015年度の図書購入冊数は最盛期の約半分

同じ教育業界に勤めている立場からのポジショントークになってしまいますが、近年、大学に振り分けられる予算は減っており、経営を維持するためには、外部資金の獲得が重要になっています。今後も教育・研究に必要な環境を整備していくためには、民間からの寄付が欠かせません。

筑波大学附属図書館の業務統計によれば、2015年度の資料購入費は約6億6千4百万円。そのため、今回、募集している3百万円は、資料購入費全体の約0.5%にしかならないようです。

とは言え、「金食い虫」と揶揄される図書館が、クラウドファンディングで、資金集めを行う事例は珍しく、成功すれば、文部科学省などから、先進的な事例として評価されるかもしれません。私自身、大学図書館には、お世話になることが多いため、是非、成功してほしいと思っています。

(毎年、微々たる金額ですが、某大学基金への寄付を継続しています。今年度は、まだ寄付していなかったので、近日中に行う予定です)

<追記>2017.01.31

目標の3百万円を達成したようです。筑波大学附属図書館の皆さん、おめでとうございます。

現時点では、筑波大学基金内に、附属図書館の支援プロジェクトはないようですが、継続的な支援を呼びかけるためにも、基金のひとつとして、プロジェクトを設けられたら良いのではないでしょうか。