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カテゴリ: 各種統計等

つみたてNISAの認知度
三菱UFJ国際投信株式会社が、つみたてNISAに関する認知度調査の結果を発表しました。

【外部リンク】「つみたてNISA」1万人認知度調査の結果について(PDF)|三菱UFJ国際投信株式会社

つみたてNISAに関する認知度調査

調査対象

20才〜69才までの男女10,000人

調査時期

2017年9月20日〜9月23日

調査方法

インターネットリサーチ

調査結果

今回のプレスリリースによれば

  • つみたてNISAについて、「知っている」と回答した人は19.1%
  • 性別でみると、男性の認知度23.8%に対し、女性の認知度は14.4%
  • 年齢別でみると、「60歳以上」の認知度が一番高い(22.7%)
  • 資産形成層の認知度は比較的高い(「30才〜34才」20.7%、「35才〜39才」19.5%、「40才〜44才」18.4%)

という結果になっています。

2017年5月に、野村アセットマネジメント株式会社が実施した類似の調査では、「つみたてNISAの認知度は1割程度」だったため、認知度が上がっています。

【外部リンク】「つみたてNISA」に関する意識調査の結果について(PDF)|野村アセットマネジメント株式会社


まだ制度が始まっていない段階で、約5人に1人が「つみたてNISAを知っている」と回答しているのは、悪くない結果だと思いました。

ただ、今回の調査結果で気になったのは、男女間で認知度の差が大きいことです。

認知度向上のためには、女性へのアプローチが必要なのでは?

上記のとおり、つみたてNISAの認知度を性別でみると、男女間で9.4%の開きがあります。

投資系ブログやSNSでは、女性もつみたてNISAに関心を持ち、積極的に情報収集している様子が見られますが、世間一般的には、まだ関心が薄いようです。

つみたてNISAを普及させるためには、これから認知度を上げていく必要があると思います。ただ、現時点で、認知度に男女差があることを考えると、女性へのアプローチが認知度向上のカギなのかもしれません

まずは女性をメインターゲットにしたPRを進め、全体的に底上げしていくことが必要だと感じました。

三菱UFJ国際投信は、継続的に調査を行うようです。今後、つみたてNISAの認知度が上がっていくのか、男女差が解消されていくのか注目したいと思います。

投資信託協会が「投資信託に関するアンケート調査報告書(2016年)」を公表しています。

【外部リンク】「投資信託に関するアンケート調査結果-2016年」の公表について

投資信託協会では、毎年、投資信託に関するアンケート調査を実施しているそうですが、今回、初めてインターネット調査で実施したとのこと。

調査の概要は、次のとおりです。
調査方法:インターネット調査(抽出フレーム:インテージネットモニター)
調査時期:平成28年9月16日〜9月30日
調査時期:全国
調査対象:20〜79歳の男女
サンプル数:20,000サンプル
調査実施:株式会社インテージ
(投資信託協会のページより引用)

「投資信託に関するアンケート調査報告書(2016年)」では、67ページにわたり、調査結果が報告されていますが、個人的に興味深かった結果をご紹介いたします。

投資信託の保有経験(「図3-9」)

投資信託の保有経験を尋ねた結果によれば、投資信託を「現在保有している」という”現在保有層”は16.0%、「以前保有していたが、現在は保有していない」という”保有経験層”は8.6%とのことです。両者を併せても25%になりません。つまり、残りの75%以上の人たちは、「これまで一度も投資信託を保有したことがない」ということになるようです。

私と同年代の30代をみてみると、”現在保有層”が10.1%、”保有経験層”が3.1%で、全体に比べると、”現在保有層”と”保有経験層”の割合が低い結果になっていました。

普段、投信ブロガーの方たちのブログを読んでいると、投資信託への投資が一般的であるかのように勘違いしますが、世間的にはまだ馴染みがないものなのかもしれません。

投資信託の保有種類(現在保有層)(「図4-1」)

現在保有層”に対して、現在保有している投資信託の種類を尋ねた結果によれば、「株式投資信託」が57.6%で最多とのことです。次いで、「外国で作られた投資信託」、「不動産投資」、「公社債投資信託」が保有されているようです。

年代別で比較してみると、全体の傾向としては、保有している投資信託の種類にあまり違いはみられませんが、「ETF」は20代(17.3%)、30代(12.4%)の保有率がやや高い結果になっています。

また、性別で比較すると、男性の方が「株式投資信託」や「ETF」の保有率が高い傾向にあるようです。

この設問が尋ねているのは、あくまで「現在保有している投資信託の種類」なので、それぞれの保有割合はわかりません。性別や年代別で比較した際、どのようにアセットアロケーションに違いが出てくるのか、興味があります。

投資信託の積立投資の利用状況(現在保有層)(「図4-1」、「図7-11」)

現在保有層”に対して、積立投資の利用について尋ねた結果によれば、「利用している」が27.2%、「利用していない」が72.8%という結果になっています。

また、他の設問で、調査対象者全員に対して、ドル・コスト平均法/積立投資プランの認知状況を尋ねた結果では、「ドル・コスト平均法/積立投資プラン両方非認知」が82.4%と大半を占めています。そのため、「積立投資」に関しても、一般に知られ、実践されているとは言えないようです。

ただ、非常に興味深いのは、積立投資の利用率を年代別でみてみると、年代が若いほど高い傾向にあり、20代が51.9%、30代が40.9%と、他の年代に比べて、やや高い利用率になっていることです。これから資産を形成していく若年層の多くが、積立投資を利用している状況は頼もしい印象を受けました。

投資信託の商品特徴認知状況(「図7-1」、「図7-2」)

ただ一方で、少し不安な調査結果もありました。

調査対象者全員に対して、投資信託の商品特徴の認知状況を尋ねた結果によれば、投資信託の特徴として認知率が高い順に、「元本の保証はない」(46.4%)、「価格変動と、外国に投資するものには為替リスクがある」(32.7%)、「国内の投資信託と海外の投資信託がある」(32.2%)などが挙がっています。

上記の結果は、投資信託への投資経験がない人たちも含まれているため、投資信託の特徴に対する認知度が低くても仕方ないと思うのですが、保有状況別にみた分析によると、”現在保有層”であっても「元本の保証はない」の認知率が78.8%に留まっています。

残りの21.2%の人たちは、投資信託の特徴をきちんと理解しないまま投資しているということでしょうか。約5人の1人が「元本の保証はない」ということを知らない状況で、投資信託を購入している事実に不安を感じました。


今回、一部の調査結果だけをご紹介しましたが、「投資信託に関するアンケート調査報告書(2016年)」では、他にも様々な項目についてアンケート調査を行なっており、興味深い結果になっています。このアンケート調査は、毎年行なっているようですので、経年変化を調べてみても面白そうです。

来年、2017年は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の対象者が拡大されます。それに伴い、投資信託に対する認知度は高まるのでしょうか。来年のアンケート調査結果が楽しみです。


今回初めて、投資信託協会のページを見ましたが、色々と情報が充実していて面白いです。個人向けのガイドブックも無料で資料請求できたので、早速応募してみました。届き次第、内容をご報告します。

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