ギグ・エコノミー 人生100年時代を幸せに暮らす最強の働き方
「ギグ・エコノミー 人生100年時代を幸せに暮らす最強の働き方」(ダイアン・マルケイ著)を読みました。

本書は、ギグ(単発の仕事)をベースにした働き方を紹介し、充実した人生をおくるための成功法則を解説した本で、収入を複線化したい人、副業をはじめたい人におすすめの一冊です。

概要

ギグ・エコノミー : 人生100年時代を幸せに暮らす最強の働き方 / ダイアン・マルケイ著 ; 門脇弘典訳.
東京 : 日経BP社, 2017.9. 278p : 19cm.
原題: The Gig Economy : The Complete Guide to Getting Better Work, Taking More Time Off, and Financing the Life You Want!.
ISBN: 978-4-8222-5540-4

著者のダイアン・マルケイ(Mulcahy, Diane)は、バブソン大学のMBA課程でギグ・エコノミー講座を教えている大学教員です。

著者の講座は、経済誌・フォーブスで「革新的なビジネススクール講座トップ10」に選ばれたこともある人気講座です。本書は、著者の講義内容をもとに書かれているため、実践的な内容になっています。

章の構成は、次のとおり。

  • 第1章 みずからの成功を定義する
  • 第2章 働く場を分散させる
  • 第3章 生活保障を設計する
  • 第4章 ネットワーキングをせずに人脈をつくる
  • 第5章 リスクを軽減して不安に立ち向かう
  • 第6章 仕事(ギグ)の合間に休みを取る
  • 第7章 時間への意識を高める
  • 第8章 柔軟性のある家計を組み立てる
  • 第9章 所有からアクセスに切り替える
  • 第10章 老後の資金を貯める

第1部「よりよい仕事を得る」、第2部「休みを増やす」、第3部「理想の人生に向けた資金繰り」の3部構成。

ギグ・エコノミー(Gig Economy)とは?

この本を読んで、ギグ・エコノミー(Gig Economy)という用語をはじめて知りました。ギグ・エコノミーとはどのような概念なのでしょう?

著者によれば、
現代社会の働き方を、終身雇用の正社員から無職までずらりと並べたとしよう。ギグ・エコノミーとは、そのふたつに挟まれたさまざまな労働形態を幅広く含む概念である。
(5ページから引用)

ギグ・エコノミーには、パート、アルバイト、派遣労働といった従来からある労働形態に加え、Uber(ウーバー)やAirbnb(エアビーアンドビー)といった新しい働き方も含まれるそうです。いわゆる「副業」もギグ・エコノミーに含まれます。

元々、「ギグ」とは、ジャズの世界で「単発あるいは短期の仕事」を意味する俗語として使われていましたが、次第に新しい働き方を表す用語として使われるようになりました。

著者は、ギグ・エコノミーが「職中心の労働市場」を「働き中心の労働市場」に変えようとしていると指摘し、成功するための法則を紹介しています。

特に印象に残った3つの成功法則

本書のなかで紹介されている10の成功法則のうち、特に印象に残った法則が次の3つ。

  • みずからの成功を定義する
  • ネットワーキングをせずに人脈をつくる
  • 所有からアクセスに切り替える

みずからの成功を定義する

働き方が柔軟なギグ・エコノミーの世界では、成功者像が多様化します。ただ、誰でも工夫次第で、自分の関心事や価値観に基づいた成功を収めることが可能になります。だからこそ、自分のなかで、成功のビジョンをしっかりと定義しようというもの。

自分の成功観を掘り下げる方法として、自分が死んだときに新聞に載ってほしい「おくやみ記事」を書くというエクササイズが紹介されていました。

面白いエクササイズだと思いませんか?自分だったらどういう記事がいいだろうかと、しばらくの間考えてしまいました。

あなただったら、どんな「おくやみ記事」を書いてもらいたいですか?

ネットワーキングをせずに人脈をつくる

インバウンド型人脈づくり」と「アウトバウンド型人脈づくり」というキーワードで、人脈づくりの成功法則が紹介されています。

特に、インバウンド型人脈に関する部分は、ブロガーにおすすめ

キュレート(Curate) → コメント(Comment) → クリエイト(Create)

上記の3ステップで、書くことの秘訣が紹介されています。

最近、書くことの重要性は、本業のほうでも感じています。事例発表でも何らかの形で文章にしていれば、〇〇の経験がある人、〇〇に興味がある人だと思ってもらえて、面白いプロジェクトに呼んでもらえたりします。

発信したコンテンツが次の仕事に繋がる好循環。成果をまとめることは、自分の仕事を振り返るいい機会にもなります。本業のほうでも、成果をまとめ、情報発信することは重要だなと感じました。

その意味でも、本書のなかで説明されているインバウンド型人脈づくり(書く、話す、主催する)のテクニックは参考になりました。

所有からアクセスに切り替える

購入せずにレンタルし、所有せずにアクセスするという選択肢は、何をどのように消費するかに関する個人の決定権を強める。柔軟で安上がりという利点もある。多額の資金を費やし、高額のローンを組んでまで購入・所有する必要はもはやない。必要なときだけアクセスすれば安く済み、差額を貯蓄や投資、時間節約にまわすことができる。
(205ページから引用)

ギグ・エコノミーのサービスによって、所有しなくても、必要なときにアクセスすれば済んでしまう物事が増えています

インターネット上のプラットフォームを使えば、「使っていない物を持っている人」と「使いたい人」の仲介が簡単にできます。

日本ではまだサービス展開されていないものがある、アクセスの機会が平等ではないという欠点はありますが、アクセス可能なサービスが多い都市部の人であれば、家計の柔軟性・節約性を高める手段として、「所有からアクセスに切り替える」というのはアリだと思いました。

これからは、ギグのポートフォリオを構築する時代

本書は、従来のフルタイム労働中心の労働形態が変わりつつあることを指摘し、ギグ(単発の仕事)をベースにした働き方を紹介する本です。

今の時代、正規雇用であっても身分が保障されているわけではありません。

この本を読んで、これからは多角的なギグのポートフォリオを構築し、自分の興味関心や優先事項に沿った人生を目指すことが必要だと感じました

副業解禁が話題になっている今、副業に興味を持っている人は多いのではないでしょうか。プラスαの仕事をはじめるとき、本書の内容はとても参考になると思います。

すべての章が

成功法則の解説 → 深く理解するためのエクササイズ → まとめと振り返り

という構成になっているので、わかりやすいのも本書の特徴。

収入源を増やしたい人、副業を検討したい人におすすめの一冊です。