
2018年9月28日に開催された、三菱UFJ国際投信主催の第2回ブロガー・ミーティングに参加してきました。三菱UFJ国際投信のイベントに参加するのは、今回がはじめてです。
フォローさせていただいているWakabaさん(@ER_Jun2017)のツイートでイベント告知を発見。会場スペースの関係で人数を制限した募集でしたが、無事参加することができました。
当日は25名程度のブロガーが参加。男女比は8:2ぐらいだったと思います。会場内には、三菱UFJ国際投信の社員の方々が大勢参加されており、ブロガー・ミーティングにかける熱意が感じられました。
早速、当日の内容をレポートしたいと思います。(なお、柴崎が聞き取れた・理解できた範囲でのメモであることをあらかじめご了承ください。事実誤認等があれば、コメント欄等でご指摘いただければ幸いです)
【記事の目次】
1. 第2回ブロガー・ミーティング(三菱UFJ国際投信主催)の概要
2. NISA(一般・つみたて)および三菱UFJ国際投信インデックス・ファンドの状況について
3. eMAXIS Neoシリーズの設定について
4. ”貯金感覚”でのつみたて投資について
5. 意見交換、質疑応答
6. 参加ブロガーのレポート
第2回ブロガー・ミーティング(三菱UFJ国際投信主催)の概要

日時:2018年9月28日(金)19:00〜20:30(終了後、懇親会が21:30まで開催されました)
場所:三菱UFJ国際投信株式会社
申し訳ないことに、軽食とお土産のお菓子をご用意いただきました。段取りを考えないまま食べてしまったので、写真はありません。他の参加ブロガーが食レポしてくれると思います。ぜひそちらをご確認ください。
ブロガー・ミーティングは大きく分けて2部構成。
第1部は三菱UFJ国際投信の方によるプレゼン、ゲストのカン・チュンドさんとの対談、質疑応答で進められました。式次第は次のとおりです。
- NISA(一般・つみたて)および弊社インデックス・ファンドの状況について
- eMAXIS Neoシリーズの設定について
- カン・チュンド氏と代田秀雄氏の対談 「”貯金感覚”でのつみたて投資について」
- 意見交換、質疑応答
質疑応答は45分の設定でしたが、前半のプレゼンと対談が盛り上がったため、実質30分程。株主優待のこと、全世界株式インデックス・ファンドのこと、直販のことなど様々な質疑が繰り広げられました。
一旦、20時30分に中締め。その後、第2部として、ノンアルコールの茶話会形式で懇親会が開催されました。
お酒が入った懇親会も好きですが、ノンアルコールのお茶会の方がお酒を飲めない人も参加しやすいですし、落ち着いた環境で交流することができます。個人的には、上手いやり方だったと思いました。
初対面の青井ノボルさん(@sindanindex)、亜門さん(@amon0125)、ソロトナさん(@sorotona)たちと交流することができ、勉強になりました。
NISA(一般・つみたて)および三菱UFJ国際投信インデックス・ファンドの状況について

三菱UFJ国際投信の前川さんによるプレゼン。3種類の配布資料をもとに説明が行われました。プレゼンの概要は、次のとおりです。
- ノーロード・インデックス・ファンドの残高は順調に伸びている。各社のシリーズを合わせると1兆円を突破
- つみたてNISAの手続きが始まった2017年10月頃から残高の伸びが大きくなった
- シリーズ別に資金流入を見ると、eMAXIS Slimでは先進国株式への流入が多く、eMAXIS、つみたてんとうでは国内株式への流入が大きなシェアを占めている
- eMAXIS Slimシリーズを採用する販売会社が、ここ半年で増加
- SBI証券のiDeCo口座のセレクトプランにeMAXIS Slimが追加されたのは、投信ブロガーの後押しが大きかった
- インターネットアンケートで「つみたてNISA」1万人認知度調査を毎月実施
- 2018年8月のつみたてNISAの認知度は30.3% 併せて、投資信託の認知度も高まるトレンドが見られる
- つみたてNISAの認知度は上昇傾向だが、つみたてNISAも投資信託も両方知らない層は約6割というのが実情
- 性別、年代別の属性で見ると、20代と30代の男性の認知度が高い
- 高齢者層の保有が多い投資信託において、つみたてNISAの認知度が若年層に浸透してきている
- 地域別に見ると、最も認知度が高いのは「東京」。認知度が低い地方とは、情報や意識の差が生じている
- 金融業界から見たキャッシュフローの規模感では、一般NISAとつみたてNISAの比率は100%:0.8%
- ただ、売却額、受取配当金額が大きい一般NISAの純フロー(買付金額 − 売却額 − 受取配当金額)はそこまで大きくない
- 2018年の純フロー推定額では、一般NISA:つみたてNISAは100%:12.8%
- つみたてNISAが一般NISAを逆転するカギは、投信純フローにあるかもしれない
面白いデータがたくさん紹介されました。
まずは、つみたてNISA口座以外でも投信積立が増えている、ということです。つみたてNISAの手続きが始まった2017年10月頃から各社のインデックス・ファンド・シリーズの残高が伸びているとのこと。つみたてNISAの認知度が高まれば、更に各ファンドの残高は伸びていくかもしれませんね。
また、20代、30代の若年層の間で、つみたてNISAの認知度が高まっている傾向は希望が持てるデータです。同世代の投資仲間が増えることは嬉しいです。
つみたてNISAの制度趣旨は、長期・積立・分散投資を支援すること。長期で運用することができる若い世代には、つみたてNISAの普及が進んで欲しいと願っています。
ただ、「つみたてNISA」1万人認知度調査の結果で気になったのは、つみたてNISAと投資信託の認知度に地域差があることです。
最も認知度が高い「東京」が31.3%であった一方で、最も低い「宮崎」は16.4%でした。その差は約2倍。所得の格差などの要因もあると思いますが、情報や意識の差が生じてしまっているのは残念です。
投資イベントが少ない地方で、つみたてNISAの普及を進めていくためには、「つみップ」などの草の根的活動が重要であると感じました。
【外部リンク】つみたてNISA Meetup(つみップ)|金融庁
eMAXIS Neoシリーズの設定について
続いて、新たに追加されたeMAXIS Neoシリーズについて、開発に携わった佐藤さん、林さんによるプレゼンテーションが行われました。- アメリカのAI(人工知能)企業Kensho社が開発した株式指数に連動するインデックス・ファンド
- 株式指数の組入れ対象は、米国上場企業
- 言うなれば、テーマ性を重視したインデックス・ファンド
- Kensho社は社員の9割がエンジニアというユニークなテクノロジーカンパニー
- Google、Appleなどの大手企業からディープラーニングや自然言語処理の技術力を持ったエンジニアが集まっている
- 社名は、自己に備わっている本性を見極めるという意味の禅用語「見性」に由来
- AIが企業の開示資料を読み込み、テーマに関連する言葉の出現頻度などをもとに選定(年1回)。時価総額、売買代金によるスクリーニングも行っている
- ファンドを設定した「宇宙開発」「ロボット」「遺伝子工学」は第4次産業革命を牽引する産業。産業自体の成長性が高い
- Amazonなどは、従来の産業カテゴリーに当てはめにくい幅広い活動を行なっている。これらの企業を新たな産業カテゴリーに再定義したいという考えを持っている
- Kensho社は、S&P500指数を有する大手指数会社S&P Global Inc.の完全子会社。S&P Global側には伝統的なインデックスの世界に、AI技術のノウハウを取り込みたい思惑があったのではないか
- ただ、構成銘柄が少なく、ボラティリティ(価格変動)は大きい。つみたてNISAに採用されるのは難しい
- 順次、他のセクターのファンドも追加していきたい
プレゼン内容は、個人的に興味をそそられる内容でした。
「アクティブ VS インデックス」という対立軸ではなく、新たな第3の道としてテーマ型のインデックスを目指す取り組みには興味があります。
宇宙開発、ロボット、遺伝子工学というテーマも興味があり、ロマンを感じます。次世代を担う新技術は応援していきたい気持ちもあります。
ただ、eMAXIS Neoシリーズに投資するかと言うと、答えはノーです。
特定テーマに賭けるというよりは、幅広く分散していきたい派ですし、信託報酬が年率0.72%(税抜き 年率)と高い点も気になりました。
将来的には、AIを活用した銘柄選定がスタンダードになる可能性は高いと思いますが、現時点で飛びつくのではなく、もう少し長い目で見守っていきたいと思います。
"貯金感覚"でのつみたて投資について
元祖投信ブロガーで、日本で唯一のインデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさん(晋陽FPオフィス)と三菱UFJ国際投信常務の代田秀雄さんによる対談です。少し前にTwitter等で話題になった「"貯金感覚"でのつみたて投資」をテーマにトークが進められました。
- 「宇宙開発」というテーマは面白い。ただ、人類の長い歴史から考えると短い寿命のテーマなのではないか
- eMAXIS Neoは、ルール化されたインデックス・ファンド。「アクティブ VS インデックス」という対立軸ではなくインデックス・ファンドの世界にテーマを持ち込む取り組みだと感じた
- カンさんの個人的意見としては、最初のうちは”貯金感覚”と自分に暗示をかけないと、つみたて投資をスタートできないのではないか、と感じている
- 投資のスタートは、つみたて投資であるべき
- つみたて投資のメリットは、ほどほどのスタートができること。途中で合わないと思ったら、元本が少ないうちに辞めることができる
- もう一つのメリットは、次第に価格変動が気にならなくなること
- 定額を定期的に購入するつみたて投資であれば、価格変動に応じて購入する口数が変化する。そのため、ファンドのリターンと投資家のリターンは一致しなくなってくる
- いい意味で「いい加減」になれることも、つみたて投資の効用
- つみたて投資で投資元本が積み上がるプロセスと並行して、投資家としての習熟度も上がっていく(つみたて投資の過程で、酸いも甘いも経験していく)
対談の中で、運用会社・見学ツアーのプランが披露されました。当初、カンさんをガイド役とする見学ツアーが、企画のひとつとして考えられていたそうです。まさに、大人の社会科見学ですね。ぜひ、実現させて欲しいと思います。
私たちが購入する投資信託のお金が、運用会社でどのように運用されているのか、とても興味があります。平日昼間の開催になるかもしれませんが、有給をとってでも参加したいです!
意見交換、質疑応答
カンさんと代田さんの対談から流れ込む形で、意見交換、質疑応答がスタート。前半のプログラムが盛り上がったため、予定時間よりも短い時間でしたが、活発な質疑応答が繰り広げられました。株主優待は換金しているの?
- 換金可能な株主優待は、信託銀行でチケット会社を集めて、競売を行なっている
- 株主優待制度は、保有株式数が増えても貰える優待の数はそこまで増えない。そのため、換金してもファンドに入ってくる資金は少額
- 運用会社の社員がネコババしていることはない。安心してほしい
eMAXIS Slim全世界株式の設定は?
- 日本を含む全世界株式は検討していきたい
- やるのであれば、合成ポートフォリオではなく、指数そのままの構成でやりたい
- 対象指数はMSCIでやるか、ライセンス料が低いFTSEでやるかは分からない
直販のスケジュールは?クレジットカードでの購入、ポイント還元は検討している?
- 準備は進めている。上手くいけば年内だが、決まっていない
- マネーロンダリング対策、サイバー犯罪対策などテストが必要
- クレジットカードでの購入、ポイント還元についても検討しているが、詳細は明かせない
- 若い世代にアプローチしていきたい。高齢者層は銀行や証券会社に任せたい
トラッキングエラーを少なくする工夫は?
- マザーファンドの規模が大きければトラッキングエラーは少ない
- トラッキングエラーの要因は「キャッシュフロー」と「指数の銘柄変更」
- キャッシュフローが生じた時、どこまで指数を再現するか、という問題がある
- 細かいところまで再現すると、その分コストがかかる
- 指数への連動はシステム化できる部分もあるが、現状ではアート(人の経験)に頼る部分が大きい
- 世界的な傾向としてはシステム化を進める流れ
- Vanguardは、ファンドマネージャー1人を雇うぐらいなら、システムエンジニアを4人雇いたい、と言っているらしい
参加ブロガーのレポート
早速、ブロガーの皆さんがレポートを上げています。是非、併せてご覧ください。(HNのアルファベット順。順次更新予定)- 三菱UFJ国際投信の第2回ブロガーミーティングに参加(青井ノボルさん)
- 三菱UFJ国際投信のブロガー・ミーティングに参加してきました(garboflashさん)
- 三菱UFJ国際投信 第2回ブロガー・ミーティングに参加してきました。(NightWalkerさん)
- 三菱UFJ投信第2回ブロガー・ミーティングに参加しました(その1)(にこいちさん)
- eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)新商品登場の予感… #MUAMブロガーミーティングに参加しました(虫とり小僧さん)
- 第2回三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングに参加してみた(ぽんとんさん)
- 【イベントレポート】第2回三菱UFJ国際投信ブロガーミーティング(Sayasayanさん)
- 三菱UFJ国際投信の第2回ブロガーミーティングに参加してきました!(シオイさん)
- 三菱UFJ国際投信の第2回ブロガー・ミーティングに参加。その1(ソロトナさん)
- 【三菱UFJ国際投信ブロガーミーティング】「貯金感覚」でのつみたて投資について(代田様・カン様対談)【書き起こし】(武部未来さん)
- 三菱UFJ国際投信の第2回ブロガーミーティング参加(Wakabaさん)
早速、カン・チュンドさんもブログを更新されています。こちらもご覧ください。
【外部リンク】 第2回ブロガーミーティング(at 三菱UFJ国際投信)にゲスト参加しました。運用工場見学ツアーを実現させたいなあ・・