eMAXIS_Slim
(上図は、三菱UFJ国際投信株式会社のプレスリリース(2017.02.10)より転載)

既に多くのブロガーが記事にしていますが、三菱UFJ国際投信株式会社から新たなインデックスファンド「eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)」の設定が発表されました。

公式発表前の2017年2月8日に、日経新聞が報じた「三菱UFJ国際投信、投信手数料「常に業界最低に」」という記事をきっかけに、インデックス投資ブロガー界隈が大きな盛り上がりをみせていた話題です。

当初、eMAXISシリーズの既存ファンド4本の信託報酬を引き下げるのではないか、との見方が優勢でしたが、いざ公式発表を見てみると、新たに低コストのインデックスファンド4本が追加設定されるという形になりました。今回、新規設定されるのは、次の4本です。
  • eMAXIS Slim 国内株式インデックス(税抜・年率:0.18%)
  • eMAXIS Slim 国内債券インデックス(税抜・年率:0.14%)
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(税抜・年率:0.20%)
  • eMAXIS Slim 先進国債券インデックス(税抜・年率:0.17%)
それぞれeMAXISシリーズ内の類似ファンドと、マザーファンドを共有するため、新規ファンドとはいえ、安定した運用が期待できそうです。

次に、私が積立を行っている「国内株式」と「先進国株式」について、詳しく見てみたいと思います。

国内株式インデックス

eMAXIS TOPIXインデックス、eMAXIS Slim 国内株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの信託報酬率の内訳を比較したものが、次の表です。

国内株式インデックスファンド信託報酬率比較
信託報酬率(年率・税抜)
委託会社販売会社受託会社合計
eMAXIS TOPIXインデックス0.35%0.05%0.40%
eMAXIS Slim 国内株式インデックス0.08%0.08%0.02%0.18%
ニッセイTOPIXインデックスファンド0.08%0.08%0.02%0.18%

※ 「eMAXIS TOPIXインデックス」、「eMAXIS Slim 国内株式インデックス」は、"受益者還元型"信託報酬率を適用していますが、上記の信託報酬率比較では、500億円未満の部分に適用されるものを使用しています。

eMAXIS Slim 国内株式インデックスの信託報酬率の内訳を見てみると、現時点で、最も低コストな<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの信託報酬率に合わせているようです。

先進国株式インデックス

eMAXIS 先進国株式インデックス、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの信託報酬率の内訳を比較したものが、次の表です。

先進国株式インデックスファンド信託報酬率比較

信託報酬率(年率・税抜)
委託会社販売会社受託会社合計
eMAXIS 先進国株式インデックス0.54%0.06%0.60%
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス0.09%0.09%0.02%0.20%
ニッセイ外国株式インデックスファンド0.10%0.08%0.02%0.20%

※ 「eMAXIS 先進国株式インデックス」、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」は、"受益者還元型"信託報酬率を適用していますが、上記の信託報酬率比較では、500億円未満の部分に適用されるものを使用しています。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの信託報酬率は、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドと同額ですが、eMAXIS Slimの方が販売会社の取り分が0.01%高くなっています。

最安値に並ばれたニッセイにとっては、委託会社の取り分を、eMAXIS Slimと同額まで引き下げれば、更に信託報酬率を引き下げられそうです。今後、どういう戦略をとってくるのか、注目したいと思います。

他社は、どういう戦略を取ってくるのでしょうか?

既存ファンドの信託報酬率引き下げではなく、新規ラインナップを追加してきたことに対して、インデックス投資ブロガーの間では、様々な意見が出ています。

私の単純な感想としては、新規ファンドとはいえ、業界最低水準の運用コストを目指すファンドを追加してきた三菱UFJ国際投信株式会社の姿勢は評価したいと思います。ただ、eMAXIS Slimの信託報酬率が、現時点で最安値の<購入・換金手数料なし>シリーズと同額の間は、ファンドを乗り換えるつもりはありません。ベンチマークも「配当込み」の方が好みですし・・・

今後、「eMAXIS Slim」の登場によって、低コスト争いをしてきたニッセイたわらiFreeがどういう戦略を見せてくるのか、注目していきたいと思います。