インデックス投資で長期航海

インデックス投資で、国内/先進国/新興国の株式に分散投資を実践中。ブログで、投資と資産状況を公開しています。

2017年度の第1四半期末を迎えましたので、2017年6月末時点の資産状況を公開します。

【参考】前回の資産状況は、以下をご参照ください。

運用資産(コア部分)のアセットアロケーション

201701Q2
国内債券 44.3%(目標配分:45%)
国内株式 5.0%(目標配分:  5%)
先進国株式 39.7%(目標配分:40%)
新興国株式 11.0%(目標配分:10%)

株式市場の上昇により、国内債券の比率が目標配分よりも小さくなっていたため、6月分の積立でリバランスを実施しました。ボーナスの一部を普通預金(国内債券代わり)に追加入金しています。普通預金がまとまった金額になってきたので、証券会社のキャンペーンを利用し、個人向け国債にリレー投資していきたいと思います。

なお、2017年6月末時点での運用資産(コア部分)と運用資産(サテライト部分)の比率は、66%:34%でした。

運用資産(コア部分+サテライト部分)の推移

運用資産(コア部分+サテライト部分)の推移は、下記のとおりです。
201701Q1
今まで取り崩すことなく積立投資を続けてきたため、投資額が順調に積み上がっています。また、世界的に株式市場が好調なため、評価額も過去最高額を更新。相場が好調だと、つい気が大きくなりがちですが、あらかじめ決めておいたアセットアロケーションに従い、定期積立を続けています。

月々の余力やボーナスの大部分は、投資待機資金として、キャッシュポジションを確保し、次の「〇〇ショック」に備えて置きたいと思います。

まとめ

前回の資産状況報告でも書きましたが、今年のどこかで相場の転換期を迎えるのかもしれません。しかし、相場がどのようであっても、低コストのインデックスファンドを中心に、国際分散投資を続けていきます。

次回の公開は、2017年9月の予定です。

FSA_handout1706
6月29日に開催された「第3回金融庁と個人投資家の意見交換会」に参加してきました。

きっかけは、投信ブロガー・虫とり小僧さんの告知記事でした。

金融庁と個人投資家の意見交換会(第3回)
日時: 2017年6月29日(木) 19:00〜20:30
場所: 金融庁13階会議室
※ 意見交換会終了後、有志による懇親会有り

集合場所のメインエントランスが分からず、迷っていたところ、経済評論家の山崎元さん、インデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんを発見。お二人の後について行き、無事集合場所にたどり着くことができました。

意見交換会の会場は、有識者会議が行われていそうな重厚な作りの会議室。弱小個人投資家の私は、それだけで圧倒されてしまいました。

冒頭に、金融庁職員の方から会の趣旨説明を兼ねた「つみたてNISA」の説明があった後、運用会社の方からお話がありました。今回参加されていた運用会社は、次のとおりです。

  • 野村アセットマネジメント株式会社
  • 大和証券投資信託委託株式会社
  • レオス・キャピタルワークス株式会社・藤野英人社長
  • セゾン投信株式会社・中野晴啓社長
  • ニッセイアセットマネジメント株式会社
  • ブラックロック・ジャパン株式会社
  • 三菱UFJ国際投信株式会社

その他にも、山崎元さん、カン・チュンドさんをはじめ、有名投資ブロガーが多く参加されていました。

当日の意見交換会の内容をご紹介したいと思います。(なお、柴崎が聞き取れた・理解できた範囲でのメモであることをあらかじめご了承ください。事実誤認等があれば、コメント欄等でご指摘いただければ幸いです)

金融庁による「つみたてNISA」の趣旨説明

まずは冒頭に行われた金融庁職員の方からの趣旨説明です。

  • 我が国の家計金融資産(約1,700兆円)のうち、52%(約900兆円)が現預金
  • 米英に比べると株式・投信等の割合が低く家計金融資産が伸びていない
  • 3世帯に1世帯は、有価証券・定期預金等による資産形成ができていない(「家計の金融行動に関する世論調査」)
  • 顧客本位の業務運営に関する原則の定着」、「実践的な投資教育の推進」、「つみたてNISAの創設」により家計の資産形成を後押ししていきたい
  • 投資初心者向けの実践的な投資教材を作成中
  • つみたてNISAでは、投資対象商品の要件を設定、日本の公募型投資信託の1%程度(50〜60本)が対象になる
  • 対象商品の多くはインデックスファンド。アクティブファンドで要件を満たすものは5〜6本程度

金融庁の方による説明では、実践的な投資教材を作成中とのことでしたが、今後どのように公開され、活用されていくのか興味があります。

運用会社の方々による説明

パネリストとして参加されていた運用会社の方々による説明の概要です。

  • (野村)若年層の投資を後押ししていきたい。分かりやすく、シンプルな商品の設計を検討中
  • (野村)ETFの普及も必要だと感じている
  • (セゾン)販売会社の多くは「やってられない」と思っているのが実情。金融庁が「つみたてNISA」の普及に向けて取り組んでいくかが鍵になる
  • (ニッセイ)新商品の開発を進めて行きたい。バランスファンドは、こだわりを持って進める
  • (ニッセイ)「純資産総額が伸びれば、既存の投資家に還元していく」という方針。毎年、ある時期になると噂が飛び交うが、毎年、信託報酬を引き下げる訳ではない。結果的にそうなることはあるかもしれないが・・・
  • (ブラックロック)ETFは、投資家にとっての新しいテクノロジー

セゾン投信の中野社長が、販売会社の実情を踏まえながら、金融庁の役割について一言物申す姿が印象的でした。

また、2年連続で信託報酬を引き下げてきたニッセイ。「毎年信託報酬を引き下げる訳ではない」と予防線を張りつつ、「結果的にそうなるかも」と期待させる発言も。

質疑応答

金融リテラシーが高い個人投資家のみなさんが質問されていたので、正直理解できていない部分も多いです。

  • S&P500をベンチマークにした商品の開発は?
  • アクティブファンドの場合、ファンドマネージャーが交代するとファンドの性格が変わる。つみたてNISAのような長期投資に耐えられる?
  • 夫は預金主義で、投資に消極的。例えば、夫婦割のような制度があるといいと思うが、導入したらどうか?
  • ETFで、分配金自動再投資(ドリップ方式)の仕組みは導入しないのか?

感想

このような投資関連のイベントに参加するのは初めてだったので、終始緊張しっぱなしでしたが、山崎さんや有名ブロガーを間近で拝見することができ、貴重な経験を得ることができました。

また、個人的に気になっていた「地方開催」についても言及があったのは良かったと思います。東京と同じメンバーという訳にはいかないようですが、地方の財務局に依頼すれば、無料で講師を派遣してもらえるとのこと。

有志による懇親会の場で、金融庁職員の方にお話させていただきましたが、是非ともウェビナー形式でも意見交換会を開催していただければと思います。インターネット上で情報交換できれば、遠方の方や忙しい方も参加しやすいのではないでしょうか。ご検討いただければ幸いです。

質疑応答や懇親会では話が盛り上がり、次回は「販売会社の方に来てもらって、話を聞こう」という一幕も。機会が合えば、次回も参加したいと思いました。

Book_Bank
橋本卓典さんの『捨てられる銀行2 悲産運用』(講談社, 2017.4)を読みました。

概要

捨てられる銀行2 非産運用 / 橋本卓典.
東京 : 講談社, 2017.4. 285p : 18cm.

著者の橋本卓典さんは、共同通信社経済部の記者で、『捨てられる銀行』(講談社, 2016.5)を執筆された方です。

本書の目次は、次のとおりです。
  • はじめに 「売られるあなた」
  • 第1章 動き出した資産運用改革
  • 第2章 ニッポンのヒサンな資産運用
  • 第3章 フィデューシャリー・デューティーとは何か
  • 第4章 年金制度の変化と資産運用改革
  • 第5章 改革の挑戦者から何を学ぶか
  • 終章 「売られないあなた」になるために
  • おわりに


前作の『捨てられる銀行』(講談社, 2016.5)では、森信親金融庁長官が進める改革のうち「企業・経済の持続的成長」を取り上げ、地域金融の問題について解説していました。本書では、もうひとつの改革方針である「安定的な資産形成」を取り上げています。

「悲産運用」とは?

金融資産の推移
(出典:金融庁「長期・積立・分散投資に資する投資信託に関するワーキング・グループ」第1回・事務局説明資料より転載)

上記の図は、本書の冒頭で紹介されているものです。

金融庁がまとめた資料によれば、ほぼ同時期において、アメリカの家計金融資産は3.11倍、イギリスは2.27倍に増加した一方で、日本は1.47倍にしか増えていません。

こうした状況を踏まえ、橋本さんは、これまでの日本の資産運用は「資産運用に非らず」だったとして、「非産運用」という造語を本書のタイトルにされています。

非産で、悲惨でもあった日本の資産運用が、金融庁の改革でどのように変化しようとしているか、ということが本書の大きなテーマになっています。

資産運用改革のキーワード「フィデューシャリー・デューティー」

森信親金融庁長官による資産運用改革のキーワードが「フィデューシャリー・デューティー(Fiduciary Duty)」です。第3章では、フィデューシャリー・デューティーについて、歴史的経緯や海外の事情を紹介しながら、解説が行われています。

これまで金融機関は、顧客との間にある情報量の差を利用し、金融機関にとって都合のいい商品を顧客に売りつける営業を行ってきました。

しかし、「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成」を最重要テーマに掲げる金融庁の改革では、フィデューシャリー・デューティー(真に顧客本位の業務運営)が重視されているため、金融機関の中には「フィデューシャリー・デューティー宣言」を公開するところも出てきているそうです。

「足るを知る」の哲学 巨大資産運用会社バンガード

第5章「改革の挑戦者から何を学ぶか」では、資産運用を取り巻く金融機関の改革として、国内外の事例が紹介されています。その中でも一番興味を持ったのが、資産運用会社バンガード(Vanguard)の事例です。

一部のインデックス投資家の間で、熱狂的な支持を受けるバンガード。本書では、創業者のジョン・C・ボーグルのエピソードやバンガードの企業姿勢が紹介されています。簡単にご紹介すると

  • 外部株主を持たない統治構造。バンガードの米国籍の各ファンドが運用残高に応じてバンガードの株式を所有している。
  • 世界初の個人投資家向けインデックスファンドを売り出した時、「ボーグルの愚行(Bogle's folly)」とさえ揶揄された。
  • 年に一度、「ボーグルヘッド・カンファレンス」というバンガード・ファンの個人投資家(ボーグルヘッド)を本社に招くイベントを開催。
  • 徹底したコスト管理。運用報告書を印刷する場合、外注よりも内製化した方が安いと判断したら、自社の印刷工場で印刷を行う。
  • 販売会社に対して、手数料をキックバックしないという世界的な方針を持っている。

私自身は、バンガードのファンドを保有していません。しかし、本書に書かれたエピソードを読むと、多くのインデックス投資家が、バンガードを支持する理由がわかりました。

まとめ

本書は、日本の悲惨な資産運用の実態を概観した上で、森信親金融庁長官の改革によって、「資産運用の現場がどのように変化しようとしているか」について、解説を行っています。

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」にメッセージを出したことから、インデックス投資家の間でも話題に挙がることが多い森信親金融庁長官。本書は、森信親金融庁長官が推し進める資産運用改革を知るためにも、また日本の資産運用の実態を知るためにも欠かすことができない一冊だと思います。


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