インデックス投資で長期航海

インデックス投資を中心とした投資ブログ。30代の会社員が資産形成、お金、教育について語ります。

<購入・換金手数料なし>シリーズ5商品が信託報酬率引き下げ
2017年10月6日付で、ニッセイアセットマネジメント株式会社が、<購入・換金手数料なし>シリーズ5商品の信託報酬率引き下げを発表しました。3年連続3回目の引き下げです。

【外部リンク】<購入・換金手数料なし>シリーズ5商品の信託報酬率引下げ(投資信託約款変更)について(PDF)|ニッセイアセットマネジメント株式会社

概要

今回、信託報酬率引き下げが発表されたのは、次の5商品です。
ニッセイ信託報酬率引き下げファンド
今回の引下げによって、上記の5ファンドが、信託報酬率最安値になりました。それぞれのクラスにおいて、これまでの信託報酬率最安値から0.001%引き下がる形での更新です。

先日、発表されたニッセイ新興国株式インデックスファンドもライバルファンドから0.001%低い信託報酬率の設定でした。これからは0.001%単位で、激しい信託報酬率引き下げ競争が繰り広げられるのかもしれません。

【参考】ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズに、新興国株式とバランスファンド(6資産均等型)が登場

Fund of the Yearで、4年連続の1位はあるか?

ニッセイのプレスリリースによれば、<購入・換金手数料なし>シリーズ合計の純資産総額が1,000億円を超えたそうです(2017年9月末時点、全9商品)。

後発のインデックスシリーズですが、ニッセイ外国株式インデックスファンドを中心に、順調に純資産総額を伸ばしていることがわかります。(ちなみに、9月末時点におけるニッセイ外国株式の純資産総額は、約629億円)

ニッセイ外国株式インデックスファンドといえば、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」で、2014年から3年連続1位を獲得したファンド

2016年11年に発生したベンチマークからの乖離問題やライバルファンドの登場によって、人気に陰りがでていましたが、今回の信託報酬率引き下げによって、4年連続1位の可能性が高まったように思います。

2017年度の第2四半期末になりましたので、2017年9月末時点の資産状況を公開します。

運用資産(コア部分)のアセットアロケーション

2017年2Qアセット・アロケーション
国内債券 43.2%(目標配分:45%)
国内株式 5.1%(目標配分: 5%)
先進国株式 40.4%(目標配分:40%)
新興国株式 11.3%(目標配分:10%)

運用資産(コア部分)のアセットアロケーションは、前期末とほぼ変わっていません。国内債券の割合が目標を下回っていますが、リバランスは行わず、毎月の積み立ても目標アセットアロケーションの割合で行いたいと思います。

運用資産(コア部分+サテライト部分)の推移

運用資産(コア部分+サテライト部分)の推移は、下記のとおりです。
2017年2Q
投資額が順調に積み上がっています。また、国内外の株式市場が堅調だったため、評価額も過去最高額を更新しました

2017年度第2四半期(7月〜9月)の運用資産(コア部分+サテライト部分)の収益率は+3.99%、今年度始めからの収益率は+7.00%でした(ざっくりとした計算ですが、下記の計算式で収益率を算出)。

今期末評価額 ÷ (前期末評価額 + 今期投資額)

なお、2017年9月末時点での運用資産(コア部分)と運用資産(サテライト部分)の比率は、68%:32%でした。もう少しコア部分の割合を高めたいのですが、のんびりいきます。

今後の投資方針

9月に参加した「つみたてNISAフェスティバル2017」のパネルディスカッションで、ファンド情報編集長の岡田篤さんが仰っていた「続けること、続けること、そして続けること」という言葉が、とても印象に残っています。

【参考】「つみたてNISAフェスティバル2017」に参加。市場に残り続けることの重要性を再認識

今後、相場環境の急激な悪化が起きるかもしれません。そのような時でも市場に残り続けられるように、これからも無理がない範囲で、コツコツと積み立て投資を続けていきたいと思います。

次回の公開は、2017年12月の予定です。

読書
大学生の頃、読んだ本の記録をつけていました。記録といっても、本のタイトル著者名入手先読み終わった日付を記しただけの簡単なもの。

先日、読書記録を読み返してみたところ、読んだことすら覚えていない本がある一方で、本を読んだ場所のこと、貸してくれた友人のことなどを思い出し、懐かしい気持ちになりました。

記録が残っている2007年7月から2010年3月までに読んだ冊数は、全部で442冊。

ほとんどは、小説、講義に関連する図書、英語の勉強で読んでいた多読リーダーですが、当時、興味を持ちはじめていた投資関連の本も何点か含まれていました。

大学生のときに、どういったマネー本を読んでいたのか振り返ってみたいと思います。

大学生の時に読んだマネー本24冊

本のタイトル著者名読了日
これだけは知っておきたい株の基本:マネーレッスン日本経済新聞社2008.01
ザ・ニューリッチ:アメリカ新富裕層の知られざる実態ロバート・フランク2008.02
お金は銀行に預けるな:金融リテラシーの基本と実践勝間和代2008.04
サブプライム金融危機:21世紀型経済ショックの深層みずほ総合研究所2008.05
知っておきたい外貨・FXの常識大竹のり子2008.05
バフェットの教訓:史上最強の投資家メアリー・バフェット、デビッド・クラーク2008.12
経済ってそういうことだったのか会議佐藤雅彦、竹中平蔵2009.05
新しい株式投資論:「合理的へそ曲がり」のすすめ山崎元2009.07
超簡単お金の運用術山崎元2009.09
藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義藤巻健史2009.10
給与明細でわかる税金と社会保険の大原則山中伸枝2009.11
金持ち父さん貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター2009.11
お金を知る技術殖やす技術:「貯蓄から投資」にだまされるな小宮一慶2009.11
「しくみ」マネー術:手間なしでお金が勝手に貯まる竹川美奈子2009.11
お金の地図:先の見えない時代を生き抜くお金の基本泉正人2009.11
お金の教養:みんなが知らないお金の「仕組み」泉正人2009.11
60歳までに1億円つくる術内藤忍2009.12
お金の脳トレ泉正人2009.12
最強の投資家バフェット牧野洋2010.01
10年先を読む長期投資:暴落時こそ株を買え澤上篤人2010.01
20歳からの金融入門美和卓2010.02
私の財産告白本多静六2010.02
独立投資家宣言!澤上篤人、伊藤宏一2010.03
サンプラザ中野と松本大の株本サンプラザ中野、松本大2010.03

大学生の時に読んだマネー本は、24冊。タイトルをざっと眺めるだけでも、その時々に興味を持っていたテーマがわかります。

現在の投資スタイルから考えると、「う〜ん」と思うような本も含まれていますが、当時は試行錯誤だったのでしょう。図書館や本屋さんで、気になったタイトルを手当たり次第に読んでいました。

2009年11月以降、冊数が急増している理由は、内定式が終わって、お金のことを真剣に考えるようになったからです。はじめて、ネット証券の口座を開設したのも、ちょうどこの頃。

あらためて、リストを読み返してみると、この頃に読んだ本が、お金に対する考え方の基礎になっていることに気づきます

たとえば、竹川美奈子さんの『「しくみ」マネー術』は、口座の使い分けをはじめるきっかけになっていますし、分散投資や保険に対する考え方などは、山崎元さんの著作の影響を強く受けています。また、本多静六の『私の財産告白』からは、貯蓄に対する心構えを学びました。

ハズレだと思った本も含めて、これまで読んできた本が、自分の投資スタイルに結びついています。時々、読んだ本のリストを振り返ることで、「自分の成長」や「思考の癖」に気づくことができるのかもしれません

社会人になってからは、読書量が減ってしまったため、読書記録をやめてしまいましたが、将来、読んだ本を振り返るためにも、記録を再開しようと思います。

【参考】【お金の仕組み化】4つの口座を意識した資産管理術



私の財産告白
本多 静六
実業之日本社
2013-12-20

ニュース
アウターガイさんの速報で、<購入・換金手数料なし>シリーズから「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」と「ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)」が発売されることを知りました。

【外部リンク】ニッセイAMが<購入・換金手数料なし>シリーズに新興国株式と6資産均等型の2本を追加|バリュートラスト

2017年9月27日現在、ニッセイアセットマネジメント株式会社のサイトには、プレスリリースがありません。下記の情報は、EDINETで公開されている情報です。

ニッセイ新興国株式インデックスファンド(設定日2017年10月13日)

ニッセイ新興国株式インデックスファンド」の信託報酬率は、下記のとおりです。
ニッセイ新興国株式インデックスファンド
※ 「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」は、"受益者還元型"信託報酬率を採用。上記の信託報酬率は、500億円未満の部分に適用されるものを使用しています。

ニッセイ新興国株式インデックスファンドの信託報酬率は、「0.339%」。これまで最も低かった「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」の信託報酬率を0.001%下回っています。内訳をみてみると、委託会社の取り分を0.001%下げていることがわかります。

また、ニッセイ新興国株式インデックスファンドは、eMAXIS Slimと同様に、信託財産留保額がありません

ここ数ヶ月の間で、新興国株式を対象としたインデックスファンドで、信託報酬の値下げ競争が繰り広げられています。先進国株式に比べると、割高だった新興国株式の信託報酬率が、0.3%代にまで下がってきたのは、うれしいですね。

ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)(設定日2017年10月13日)

国内株式、国内債券、J-REIT、外国株式、外国債券、先進国リートの6資産に対して、均等に投資するバランスファンドです。信託報酬率は、次のとおり。
ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)
これまで、<購入・換金手数料なし>シリーズには、4資産均等型(国内株式、国内債券、外国株式、外国債券)のバランスファンドがありました。今回、国内外のREITを加えたバランスファンドが追加された形です。

「Coming soon!」がようやく実現

<購入・換金手数料なし>シリーズの商品一覧に、"Coming soon"の文字があったため、長い間、新しいファンドの誕生を待っていました。

だいぶ待たされた感じはありますが、新興国株式を対象としたインデックスファンドの追加が、個人的にはうれしいです。1回目の運用報告書が出るまで、純資産総額の伸びなどをチェックしていきたいと思います。

生涯投資家
『生涯投資家』(村上世彰著)を読みました。この本を読んで、村上世彰(むらかみ・よしあき)さんに対する印象が変わりました

概要

生涯投資家 / 村上世彰.
東京 : 文藝春秋, 2017.6. 276p : 20cm.

かつて、「もの言う株主」として、世間の注目を集めた「村上ファンド」。本書は、ファンドの創設者・村上世彰さんが書いた本です。

目次は、次のとおり。
  • はじめに なぜ私は投資家になったか
  • 第1章 何のための上場か
  • 第2章 投資家と経営者とコーポレート・ガバナンス
  • 第3章 東京スタイルでプロキシーファイトに挑む
  • 第4章 ニッポン放送とフジテレビ
  • 第5章 阪神鉄道大再編計画
  • 第6章 IT企業への投資 ベンチャーの経営者たち
  • 第7章 日本の問題点 投資家の視点から
  • 第8章 日本への提言
  • 第9章 失意からの十年
  • おわりに

本書は、大きく分けると、2つの内容から構成されています。

前半部分は、投資家人生を振り返った部分です。父親の影響を受けて、投資家としての人生を歩みはじめた幼少期の話、後に逮捕されるきっかけにもなったニッポン放送の株式をめぐる騒動などが、赤裸々に語られています。

続く後半部分では、日本経済が抱える問題点の指摘と提案が述べられています。

本書のキーワード = コーポレート・ガバナンス

村上さんの主張を端的にまとめた文章が、下記の一節でしょう。

「コーポレート・ガバナンスと、その浸透による資金循環の促進」こそが経済成長を促す策だ、と。私が官僚の頃から言い続けてきたことであり、ファンドマネージャー時代も、純粋な投資家となった今も、この信念は変わらない。
(241ページから引用)

上記の文章にも出てきますが、本書では「コーポレート・ガバナンス」というキーワードが、何度も使われています。

コーポレート・ガバナンスとは、

投資先の企業で健全な経営が行なわれているか、企業価値を上げる=株主価値の最大化を目指す経営がなされているか、株主が企業を監視・監督するための制度
(31ページから引用)

のことです。

本書のなかで、「コーポレート・ガバナンスこそが、自身の投資哲学の根幹をなす概念であり、これからの日本経済に欠かすことができない制度である」と、村上さんは繰り返し主張されています。

非営利団体のガバナンス不足と資金循環

個人的に共感した部分が、「日本では、NPOやNGOといった非営利団体の活動でもガバナンスが効いていないため、十分な活動資金が流れていない」との主張です。

私は、教育という非営利的な側面が強い分野で働いていることもあり、勉強になる指摘が多くありました。

ここ数年の間で、教育の領域でもファンドレイザーと呼ばれる職種に注目が集まるようになりました。しかし、寄付金集めの前提となる、活動内容の広報や寄付者への情報開示は進んでおらず、改善が必要な状況です。

村上さんが主張されているように、非営利団体でもガバナンスが徹底されることで、資金の循環が生まれることを願っています。

村上世彰さんに対する印象が変化

かつて、村上ファンドが世間の耳目を集めていたころ、私は大学生でした。

連日の報道を見て、正直なところ、村上さんのことは、あまり良く思っていませんでした。「よくわからないけれど、マネーゲームで悪いことをしたのだろう」ぐらいの認識でした。

『生涯投資家』のなかで、村上さん自身が反省されていますが、畳み掛けるような話ぶりや強い語調も悪印象の一因だったと思います。

しかし、本書を読んだことで、村上世彰さんに対する印象が変化しました。日本ではまだ認知されていなかった1990年代から一貫して、コーポレート・ガバナンスの充実を主張されてきたことは驚きです。

2015年に、コーポレートガバナンス・コードが策定されるなど、上場企業と投資家の関係が変わりつつあります。今こそ、先駆者の意見として、村上さんの主張から学ぶべきことは多いのかもしれません。

生涯投資家
村上 世彰
文藝春秋
2017-06-21



参考

相互リンクさせていただいているゆ〜ていさんが、本書をレビューされています。同年代の方のレビューで参考になりました。

【外部リンク】【書評】生涯投資家|81年生まれが投資による資産運用を真剣に考える

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